コンデジ赤外線写真

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先日、赤外線フィルムの話を書きましたが、 各社から赤外線フィルムの生産中止が続く中、 一眼デジカメを改造してローパスフィルタを除去し、赤外線カメラ化する技術はあるようです。

しかし実は、そこまでしなくてもコンパクトデジカメの中で赤外線カットが甘い機種を使えば、 低感度ではあるものの赤外線写真を撮ることが可能のようです。 識別法はテレビの赤外線リモコンのボタンを押して、 その受光部をコンパクトデジカメのモニターで見て、 LEDが光っているように見えたら「当たり」らしい。

で、実は私が今使っているデジカメDMC-TZ3は、 比較的赤外線のカットが甘く、 リモコンはしっかりと紫色っぽく光って見えます。 コンパクトデジカメのCCDは、近赤外線がマゼンタの偽色で写る傾向があるようです。 そういえば焼肉屋で炭火を撮ると紫色に写ったなぁ…とか思っていました (以前はどのデジカメも炭火は紫に写ったもので、 最近はナチュラルな色に写るデジカメが多くなったなぁ、と思っていましたが、 あれは近赤外線の偽色だったのか…)。

そういえばライカM8などはかなり強い赤外線によるマゼンタ被りが発生しているようなので、 そういうカメラを使えばさらに短い露出で大丈夫そうですね。 まあ、M8なんて高くて買えませんが(笑)。

ということで、赤外フィルムはまたそれはそれで置いておいて、 コンパクトデジカメでの赤外写真を撮ってみようということで、 新宿のビックカメラでIR76, IR84, IR90のゼラチンフィルタを買ってきました。 それぞれ、波長760nm、840nm、900nm以下の光をカットする赤外線フィルタです。

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ということで、たまたま永田町界隈に行く用事があったので、 そのついでに三脚を担いでいって、 IR76を強引にレンズにかぶせて(こういう乱暴なことが出来るのがゼラチンフィルタのいいところ)、 写真を撮ってみました。

まさに焼肉屋の炭火を撮った時の色そのままの、マゼンタ一色の写真が撮れます。 IR76を通して目で景色を見ても、ほとんど何も見えないんですけどね (760nmは可視光ギリギリの波長)。

[警告] ちなみにIRフィルタを通して太陽を見るのは非常に危険なのでやめましょう… 可視光は通さなくても赤外は素通しですから。目が焼ける可能性があります。 明るさは感じられないのでその分非常に危険です。 同様の危険性がND400などのフィルタにもあるそうです(ND系は赤外をかなり通すらしい)。 D1フィルタはどうなのかな?

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これをPhotoshopで色抜きしてレベルを補正すると…。 おお、まさにこれは赤外写真ですね。植物は白く、空は黒く。 露出は1秒、ISO設定は400です。 道路を通る車は見事にぶれていますね。

皇居の赤外線写真

公園にて。フィルム交換の必要があるフィルムカメラにも、 改造が必要で赤外線用になってしまう一眼デジカメにも出来ない技は、 三脚につけたまま、全く同じアングルで普通の写真と赤外写真が撮れることかもしれませんね。

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これを使えば、かつてのコダック・エクタクローム・インフラレッド(赤外カラーフィルム)的な、 疑似カラー赤外写真も合成可能ですね。 後でやってみよう。

ということで、疑似赤外カラー写真、やってみました。(2008/05/11)

公園の赤外線写真

早咲きの桜が咲いていたので撮ってみました。 これぞまさに「さくら赤外」? (笑)

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しかしこれはあんまり普通の白黒写真とイメージが変わらないですね。 R1フィルタかけて撮りました、って感じ?

桜の赤外写真

この国会議事堂の写真はかなりきれいに撮れたな。

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木々が真っ白に輝いているのがきれいに写っています。 幻想的な風景ですね。

国会議事堂の赤外写真

いやはや、デジカメ赤外写真、意外にかなり面白いです。もうすこし追求してみたいところ。