最近もっとも腹の立つものの一つは、 例の CD 業界のコピープロテクト騒動だ。 まあ、知らぬ人はあまりいないと思うけど、 要するに今度から CD にレッドブック違反の信号を入れて、 PC での MP3 化だけではなく、 リッピングや CD-ROM での音楽再生さえできなくしよう、 というとんでもない話を本格的に音楽業界が予定しているとのこと (しかも、 カーステレオやポータブル CD での再生にも悪影響がある可能性があるとのこと)。
だいたい、iPod 買ったばかりの私をどうしてくれる、 という点でも怒り爆発なんだけど、 そもそもなぜ iPod をなぜ買ったのかというと、 CD はかさばるんだよね。 最近はシングルも 12cm が普通になったので、 あれだけかさばってたったの 10 分しか聴けないってのは、 この時代にメディアとしてそもそもダメでしょう。 これを iPod に入れさせないってのは、 正当な消費者の権利を侵害しているよね。 法的にどうかは知らないけど、 気分的にはどうにかしてくれ、という感じ。
音楽業界の主張としては、 DVD はコピー禁止しているのに、何で CD ではいけない、 ということらしいんだけど、全く問題が違うと思います。
一応言っておくけど、私は CD コレクターであって、 不正な CD のコピーなんてものはわが家には全くありません。 はっきりいって、CD の優良正規ユーザとして、 今回の件には不利益しかありません。 MD の補償金も全部返してほしいのに、 その上にこの仕打ちではあんまりです。
もういろんなところで言い尽くされてるけど、 結局これは旧来のビジネスモデルにこだわる音楽業界の悪あがきなんだよね。 反対のスタイルとしては、 職場へのパソコン導入に伴い、反対するおじさんたちと同じレベル。 問題から逃げるだけで、解決を先送りしているだけ。
結局、音楽業界の次のビジョンを作る人がいないし、 こんな小手先の対策したって、 ネットワークに音楽業界が潰される日を待つだけだと思う。
今やっている音楽の電子配信とかいうのだって、 一曲ごとに 200 円だとか、 鬱陶しいので使う気がしない。 なんで 200 円のためにあれだけいろいろフォームを埋めねばいかんのかね? 個人的には、将来的なビジョンとしては、 一定量までの低価格の定額ダウンロード (たとえば 1GB までなら 1,000 円とか)と、 高音質で著作権コントロールをしたエンコーディング技術と、 旧来の CD 発売の利便性向上・価格低下を組み合わせたスタイルしか、 音楽業界の生き残る道はないんじゃないのかな? 定額制にすれば (少なくともその月に限れば)、 違法コピーからコピーしようが正規に入手しようが、 コストが基本的に変わらなくなるのでは? わざわざ違法な場所から持ってくるモチベーション自体がなくなるじゃないですか。
たとえば、次世代携帯から自由に内蔵メモリに期限 3 日でダウンロードとか、 そういうスタイルだってあれば、 iPod のかわりにはなるでしょ? iPod を使って大量の音楽アーカイブを持ち歩くようになって気が付いたことは、 旧譜をよく聴くようになったことです。 そうやって旧譜からもちゃんと利益を回収するシステムを作るというのも、 いいと思うんだけどね。
通信速度の点でも、検索効率などの点でも、 違法サービスを、正規のサービスの質で蹴散らすというのが何で出来ないんでしょう? 所詮違法 P2P 交換サービスなんてのは、 他人の著作物に小判鮫のように引っ付いたカスのような情けないシステムです。 著作者側が本気になったら、 絶対にもっとよいサービスを提供できるはずなのにね。 JASRAC なんて P2P 交換業者を摘発するのに必死みたいだけど、 本当に必要なのは JASRAC 自身が P2P 交換ソフトを開発することでしょう。
本気で P2P 交換会社が、 著作権管理ビジネスを同時に行うということはできないのかな? JASRAC なんて抵抗勢力はさっさと潰した方が音楽業界のためでしょう。 管理下の全ての楽曲をデジタル化して大手プロバイダへのミラーサイトの設立や、 P2P や友だち間でのコピーをしても問題ないような著作権管理システムをつくり、 そして楽曲を定額で利用させると…、 このくらいやってくれるなら、CD はコピーできなくても文句は言わないよ。
このあと同じ話題で書いた日 → 2002/03/13, 2002/08/07 (2002/08/11 追記)