デジタル・フィルム写真の赤外線対応
さて、実はニコンFM10ボディを、先日ヤフオクで3,000円で落としたのでありました。
ロゴも印刷でイマイチだし、コシナのOEMだし、プラスチック製だし… なんでF3を持っているのにわざわざFM10を買ったのかというと…まあいろいろと訳がありまして。
…とりあずF3で赤外写真を撮るのは大変なんですよ。 SC72とかIR76とかの可視光カットフィルタをかけると、 当然ながらファインダーが見えなくなるし、 なにより赤外フィルムを使っている間は他のフィルムで撮れないのが痛い。
ということで、こちら("B&W Photography - クリエイティブなフォトグラファーに贈る赤外写真入門")の意見も参考にして、 なるほど、もう一台ボディがあればいいじゃないか、と。 同じFマウントのレンズが使える安いマニュアル露出のボディ。 ああ、FM10があるね、というのが結論でした。
てなことで、どうせならこのシャッター付近にフィルターを突っ込んでしまえば、 埃が多少心配ですが、ファインダーが明るいまま(普通に構図が決められる) 赤外写真が撮れるのではないかと。
実はローライインフラレッド400なんてフィルムを先日初めて試してみたら、 IR76フィルタ(760nmシャープカット)がこの赤外感度の低いフィルムには厳し過ぎたのか、 Kodak HIEよりもだいぶ長く露出したつもりなのに、 露出不足過ぎて長巻きで戻ってきました。
ということで、まずはIR76の代わりにSC72(720nmシャープカット)を使ってみる事にして、 これをフィルム直前に両面テープで貼付けてみました。 今度これとローライインフラレッドを試してみようかと。
先ほどの"B&W Photography - クリエイティブなフォトグラファーに贈る赤外写真入門"では、
一般にシャッターより後ろのフィルム側に付けるのはちょっと難しいと思いますが、シャッターとミラーの間だとなんとか出来なくもありませんね。
と書かれていましたが、FM10の場合は逆にミラーとシャッターの間に付けるのが難しそうだったので、 シャッターの後ろに付けてみました。 ただ、ホコリ対策などを考えると、ミラーとシャッターの間の方が良さそうですけどね…。
ところで、 昨日お台場のガンダムを撮りにいったとき、 赤外デジタル写真を撮ったつもりにも関わらず、 ガンダムの色が見える(=可視光が通り過ぎ)ということで悩んでいたPowerShot S30ですが、 こちらはSC72からIR76に貼り替えてみました。
ちょっと曇り気味で赤外写真としての条件は悪いが、テスト撮影してみた。 まずはSC72の時の写真。シャッタースピードは1/20秒。 カラーのままだと、ピンク色の偽色が強く出ている。 一方で、強く赤外線を反射しているはずの葉は、 より薄い色で現われている。
Photoshopで白黒化+諧調補正してみても、多少葉の色が白っぽく出ただけの写真に過ぎない。
一方で、こちらがIR76で撮った写真。 シャッタースピードは1/10秒。 その上さらに諧調は薄くなっているが、 ピンク色の偽色はかなり弱くなっており、 このカメラで強い偽色を出す波長成分が720nm〜760nmのレンジにある事を示唆している。
Photoshopで白黒化と諧調補正を行った。 だいぶ葉が輝いている感じが出ている。
あとは、晴天時にテスト撮影をしてみたい。 FM10共々試験してみたいのだけれども、そう言えば今は梅雨のまっただ中、 もっともそのての作業がしにくい時期だったのであった…。 いつになる事やら…。