さて、京都近代美術館までやってきました。
体調を崩していたため、東京での展示に行けなかった「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」を観るためです。 江戸の敵を京都で!ということで(笑)。写真は撮影禁止なので勘弁。 作品は公式ブログにすべて掲載されています。
面白かった! 最近、江戸時代っていうのは、かなり住んでいる人にとっても面白い時代だったのではないかと思うようになったのだけれども、さらにその感を強くしました。こんなポップカルチャーが出てくる時代が面白くないわけがない。
一応、展示作品は事前に公式ブログで予習してから行ったのだけれども、やっぱり小さなPCの画面で見たのと本物とでは全く迫力が違います。
まずは入り口そばにあった、作者不詳の『紅白梅図屏風』から、なんだかわからないけれどもとにかく何かを表現したい衝動の強さが伝わってくる。 そしてその直後に「ずーん!」という効果音でもついたかのように出現する、 長沢芦雪『白象黒牛図屏風』、凄すぎ。思わずぽかーん、と口を開けて前でぼーっとしてしまいましたよ。
とても構図が魅力的な作品が多い。そして大胆な色づかい。まぎれもなく、伝統の枠からはみ出たポップアートそのもの。
そして伊藤若冲『鳥獣花木図屏風』(「鳥」のパートと「獣」のパート)。近くでその筆遣いの細かさを見ると、リキテンシュタインの作品を連想する。
この40000以上もの「ピクセル」に色を表現する技法が面白い。ピクセルを同系統の2色で内と外に塗り分け、その面積差で色の濃淡を表現している場所、「ピクセル」内に同じテクスチャを貼り付け、その微妙な差で色を表現している場所、さらに変則的な色の表現をしている場所。
そしてその大胆な構図とモチーフ、デフォルメ、思わず屏風をのんびりと行き来して見入ってしまった。この絵は細部まで面白い。やっぱり現物の迫力は凄いね。
若冲の作かどうかは議論があるらしいけれども、いずれにせよこんなすさまじくオリジナリティの溢れる作品を描こうとするヤツはかなりいかれたアーティストであることは確かだ。面白すぎる!
そしてその右に配置されている伊藤若冲『紫陽花双鶏図』、息をのむ圧倒的な美しさだ。すげえ。
そのほかにもいろいろ気に入った絵がたくさんあった。葛蛇玉『雪中松に兎・梅に鴉図』、この構図と表現、素晴らしいね(でも画像ファイルでは現物の迫力はやっぱり全く伝わらないね)。あと、なにげに伊藤若冲『伏見人形図』、…この人芸の幅が広すぎるよ。こういうの大好き。
しかし、こういう異端のコレクションが外国人の手で集められているってのはある意味面白いね。 思わずこのイベントの画集も買ってきてしまいました。楽しかった! この後このコレクション、九州→名古屋と回るようです。
ついでに、すぐそばの平安神宮にも寄ってみました。
なにやら、イベントをやっていました。