2005 年 11 月 12 日 (土) 青山

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矢野絢子『窓の日』

(CD, 2005-10-12)

矢野絢子 2nd フルアルバム。インストゥルメンタル 3 曲を含む 14 曲。 「歌小屋の2階」でのピアノ・ボーカル・ヴァイオリンによる一発撮り(?)の多い、 まるでライブアルバムのようなアナログ感漂う 1 枚。 名曲「吉野桜」もいいけれども、 まるで自叙伝のような「二つのプレゼント」には、 なぜか同じ高知出身の西原理恵子「ぼくんち」を思い出して泣いた。


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矢野絢子『ナイルの一滴』

(CD, 2004-10-13)

地方で活発に活動していた天才ミュージシャンが、 多くの持ち歌から考え抜いて選曲して、 捨て曲ゼロの密度がみっしりと濃いファーストアルバムを作ったように見える、 という点では、 全然ジャンルは違うけれども椎名林檎の『無罪モラトリアム』の衝撃を思い出します。
力強いボーカルに、 華麗なピアノとヴァイオリンが奏でる傑作アルバム。 2004 年の「私の偏見で選ぶ CD」ベスト 1 に文句なしに決定。


入り口のそばに「ポインセチアの鉢植え♪」が置いてある、 「AOYAMA 月見ル君想フ」にやってきました。 本日は矢野絢子ツアー『窓の日』東京公演です。 今回も夕の部と夜の部の二部構成。 またしても両方観させていただきます。

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第一部: 17:00〜19:00

今回も月見ル君想フにはぎっしりと席がならび、立ち見もたくさん出ています。 とてもいい会場なんだけれども、微妙なサイズの箱ですよね。 ちとこの規模には狭い。

舞台にはグランドピアノのみ。 前回の「浅き夢」の時はかなりコンセプチュアルに和服での登場でしたが、 今回はいたって普通の、「窓の日」のジャケット写真みたいなナチュラルな感じで登場です。

今回のセットリストはこんな感じでした。間違いあったらすみません。 なお、「東京のみ」というのは、MC でそれに近い話があったということで、 実際に他の会場に私は行ったわけではないのであしからず。

他の会場では歌小屋の他のアーティストもサポートで参加していたようですが、 東京では「一人で勝負」とのことで、今日は一人だけのようです。

  1. 瞬き (東京のみ)
  2. かなしみと呼ばれる人生の優しさよ
  3. つめたい手
  4. 坊や
  5. かくれんぼ
  6. ひとつふたつ
  7. 九月の高原
  8. 雨のレストラン
  9. 吉野桜
  10. 小石 (未発表曲、東京のみ)
  11. 吐息 (未発表曲)
  12. サンタの家
  13. ふたつのプレゼント
  14. 一人の歌
  15. てろてろ (東京のみ)
  16. 明るい方へ
  17. [Enc.1] オリオン(未発表曲)
  18. [Enc.2] ソリダスター

やっぱりこの人のライブはすごいなぁ…。 「浅き夢」の時は、計算されたような緻密なライブという印象があったんだけれども、 今回はむしろ感情がほとばしるような、 勢い余った感じすらある「とんがった」ライブだったと思います。 その分、前回よりいろんなミスも多かったけれども、 それもまた一興かと。

同時に配られていた歌小屋の2階のフライヤーに、 仲間のミュージシャンの「矢野絢子は上手く歌おうとしていない」というコメントがあったのですが、 実にいい得て妙な表現だと思いました。 前半で言うと、「つめたい手」や「坊や」は特に凄かったかな。

今回は MC が全般的に長かったけれども、 「かくれんぼ」や「ひとつふたつ」では、歌小屋のエピソードを多く MC で語っていました。 「かくれんぼ」は歌小屋に住み着いた頃に物凄い勢いで作っていた曲、 「ひとつふたつ」は「モナカ」というデュオを組んでいたことのある、 大久保和花さんの誕生日に送った曲なのだそうです。

そういえばこの時、大阪公演のあと車で高知に戻って、金曜は歌小屋の受付をして、 今朝東京に飛行機でやってきた、と MC で喋ってましたが、 そうすると金曜日に私が歌小屋に電話して喋った人ってもしかして…(汗)。

「九月の高原」、今の事務所とのことを歌った歌ですよね。 はてさて、今後どうなることやら…。

「吉野桜」。前回のライブで CD 希望曲として多かったので、 どうみても春の曲だけれども冬のアルバムに入ったのだそうです。 ええ、私も書きました。ライブで聴く「吉野桜」はまた格別です。

「小石」と「吐息」の韻を踏んだ未発表曲二曲、 どちらもいい曲だったなぁ。 「小石」は東京のみだそうです。

「ふたつのプレゼント」、…ライブで聴くのは初めてだけれども、やっぱりいい曲だね。 ここで勢い余ってかなり派手に間違えてましたが、まあ、お疲れ様です。

「てろてろ」は、東京にこれを持ってやってきたぞ、という曲なので、 他ではやりませんでしたが東京ではやります、とのことです。 ちょとアレンジが変わってました。 この曲が東京で多くの出会いをくれた、 という点ではやはり想い深い曲なのだそうです。そうだろうなぁ…。

本編ラストは「明るい方へ」。ラストに映える曲ですね! 盛り上がって本編終了。

アンコール。 まずは MC で、いろいろ噂になっている件に関して「『今年の』東京はこれでシメです」…で、 その「矢野絢子やめるんじゃないか噂」に関してコメント。 一言「やめません」とのこと。 「歌を作ること、歌を歌うこと、歌小屋の2階をやっていくこと」 は自分の生きることなので、やめませんよ。 ということで、 「来年もいろんな場所で月一回位はライブをしていきたいので、 発見してください」とのことでした。 なるほど、発見の必要はあるということですね…。

まあ、インディーズに戻っても、移籍しても、 あるいはなんかもう良く分からない新型アーティストになっても(笑)何でもいいので、 何かこの人には独自に我が道を行って欲しいです。 事務所と云々とかいろいろな話があるようですが、 「まあ大人なのでいろいろありますよ」ということで…。 来年以降はどうなるか全く見えてませんが、 インディーズに戻ったところで、 私が普段聴いている人たちはほとんどみんなそんな人ばっかしだし…。

それはともかく、アンコール一発目「オリオン」、いい曲だった〜。 本当にこの人、曲のストック多すぎ。 そして本当のラストは「ソリダスター」。再び盛り上がって第一部終了。 いやはや、やっぱりこの人はライブだわ。堪能させていただきました。

ところで、アンケート用紙の宛先住所が、 歌小屋の2階宛になってましたね。 前回のアンケート用紙ってオブリガート宛だったっけ? ちょっと気になるところ。

第二部: 20:00〜22:10

さて、外は冷え込んでいます。寒いー。再度入場です。 第二部の構成は基本的には第一部と同じ。 ただし、ラストにもう一度アンコールがあり、 「ブーツ」が歌われていました。

前半でミスった場所も無事に乗りきってましたが、新たにミスった個所もあったかな。 総合的に見ると、純粋にテクニカルには第一部よりよい出来だったと思います。

しかし、この人は本当にどこからこのパワーが沸いてくるのか…。 あの声量と迫力で1日4時間歌い続けるパワーは本当に感服します。

そうそう、来年の抱負は「詞を先に作って曲を後に作ると、 さっさと歌いたくてさらさらと曲を作ってしまい簡単な曲をつけてしまう。 いざ曲から作ろうとすると、『このままでいいじゃん』とインストになってしまう(笑)ので、 もっとちゃんと凝った曲を作りたい」 のだそうです。 なるほど、あの教授バリの素敵なインストはそうやって生まれていたのですね。

ということで、素晴らしいライブでした。 最後の「ブーツ」、たぶん去年の品川で聴いて以来だったと思いますが、 いい曲です。大満足でした。狭くて固い椅子で腰が痛かったけど。

ということで…

ライブ終了後、第二部を一緒に見ていた 4 人で近所の「海's AOYAMA」へ。 ここでのんびりと、今のライブやらいろいろ語りながら、 午前様まで飲みました。つきだし。

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名前を忘れたけど美味しかった。

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たぬき豆腐。天かすと豆腐を石鍋で煮込んであります。美味しい。

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シメ鯖。

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アボカドと海老の揚げ春巻。

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鳥のからあげ。

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空芯菜と茸の炒めもの。

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シメは炒飯とナシゴレンっぽい感じのもの。

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いや、美味しかったぞ。しかも終電近くまで飲みました。 いいライブの後に美味しい酒。素晴らしい。ごちそうさまでした。 でも明日も矢野絢子ライブが同じ会場であるのですよ。 また来るぜ。


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