2005 年 8 月 4 日 (木) 自宅

いや〜。日本版 iTMS (iTunes Music Store) がやっと開店ですよ。 いやはや、本当にうれしいねぇ。

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以前 CCCD が流行り始めたころに、 今後のネットと音楽業界のあるべき関係に関して書いたことがあったけれども、 あの時の夢に一歩やっと近づいた感じかな。 結局言いたいことは、当時書いたこれにつきるのですよ。

通信速度の点でも、検索効率などの点でも、違法サービスを、正規のサービスの質で蹴散らすというのが何で出来ないんでしょう?所詮違法 P2P 交換サービスなんてのは、他人の著作物に小判鮫のように引っ付いたカスのような情けないシステムです。著作者側が本気になったら、絶対にもっとよいサービスを提供できるはずなのにね。

ここ数日、トップページの方にいろいろ毒を吐いていたので、 消すのももったいないからそれもいっしょに再掲しておくね。

iPod 課金は継続審議 文化審、中間報告作成を断念…なんと、「携帯プレーヤーは2万曲も録音でき、権利者が失っている利益は計り知れない」「著作権について定めたベルヌ条約に違反する」のだそうな。そりゃまあ、そんな頭の悪い参加者に溢れた会議なら報告書なんてまとまるわけないわな。ただただ、呆れて言うべき言葉もないよ。

要するに iTMS を延々と妨害し続けたような著作権管理団体が、 今の日本の音楽業界をダメにしている最大の原因の一つであるということ。 iTMS を妨害しながら iPod に課金しようとしていたという振る舞いだけで、 その商売センスの無さに呆れるしかない。 エイベックスは大嫌いな会社だけれども、 CCCD を真っ先にやめて、日本版 iTMS にも真っ先に乗ってきたということは、 以前の「商売の嗅覚」を取り戻してくれたような気もするので評価している。

要するに、iPod に簡単に取り込める音楽のネット販売を妨害しつつ、 躍起になって iPod に 500 円くらい一律課金する道を探っていたのが、 ここしばらくの音楽業界だったのですよ。 JASRAC によれば iPod の配信で入る著作権収入が 1 曲 7.7 円。 500 ÷ 7.7 = 64 (曲) ですよ? iTMS を使い始めれば、 64 曲なんてあっという間に買っちゃうよ。

まあ、いわゆる iPod 課金の方は私的録音補償金ということで、 「すでに購入されている CD からコピーする際も金を取ってやれ」 という趣旨のものなので単純比較はできないけれども、 それならなおさらのこと、 なぜこんな「はした金」を維持することに必死になるんだか全く理解できません。

ま、あれだね。私的録音補償金は算出根拠不明だからお手盛りで配分できるし、 JASRAC 登録アーティストじゃないといちいち申請しないと受け取れないけれども、 iTMS からのお金はちゃんと売り上げに応じて正当な著作者に配分されるから気にくわないのかね? とか邪推したくなるよ。

今まで音楽業界は、自分の客をすべて泥棒と仮定して、 値段を高く、 しかもできるだけ買い物をしにくくするというほとんど意味不明のことをしてました。 要するに、 安価さや簡便さを求めるユーザをアングラへと追いやるという行動を続けていたわけで、 これじゃ金を払う客はどんどん減って当然でしょう。

普通の業界では客が減ればサービス改善や価格を下げるのが当然なのに (しかも、そのための有効な道具となるネットも普及してきた)、 その全く逆なことをしていたんだから笑うしかありません。 こんな業界はネットから逆襲を受けても自業自得です。

ネットもコンピュータも理解する気のない頭の固いオヤジにも「数字」で示すことができるように、 iTMS には是非とも成功してもらいたい。っていうか成功するでしょ。 今までの音楽配信サービスとは桁の違う結果を出してくれると思う。 そして次はネット専門レーベルの登場かな。

ということで登録してみました。すでに AppleID は持っていたので、 手続きは簡単でした。欝になるのは、 iTMS の国選択で、 これほど多くの国で iTMS が開始されていたということがわかったこと。 日本の情報後進国ぶりが目の前に晒されるようで、頭痛がします。

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ははっ、東芝 EMI 時代の篠原美也子の廃盤モノが全部あるぞ。 願わくばテイチク時代の廃盤も欲しい…。 こういう廃盤の販売ってのはネットのもっとも得意とするところだと思う。 マイナーな CD は廃盤になって手にはいらなくなるのも早い。 こういうのは大歓迎です。

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川村結花。シャレにならん…。 最近の CD が手に入らないが、 はるか古代の東芝 EMI 時代の廃盤のみ手に入るという状態。 …これ貴重盤だろ? 私もまだ聴いたことがないぞ。早速購入。

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そう、川村結花の現在のレーベルである SME は日本版 iTMS に参加していないのだ。 いや、ソニーさん。それは大きな判断ミスだと思うが…。


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