矢野絢子『約束の日』@ 代官山・晴れたら空に豆まいて

さて、今日は矢野絢子ワンマンライブ2本が晴れ豆であるということで、 やってきましたよ代官山。まずは駅前のSASAで腹ごしらえ。 トマトジュースと…。

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グリルマッシュルームバーガー! やっぱりここのこのメニューは絶品ですなぁ。 うまいっす。

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さて、今回のライブは、第一部『アルバムめぐりvol.1「ナイルの一滴」』、第二部『7thアルバム「いちばん小さな海」レコ発』ということで、2枚のアルバムを全曲やりますという企画。今回のライブ通しのタイトルは「約束の日」。 まずは開場前にアルバムを購入!

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晴れ豆は満員。

今回は気合の入ったチラシが入ってきてました。一枚はみっしりと書かれたアルバム全曲紹介。もう一枚は今日のライブタイトル「約束の日」の話(あとで書きます)。

第一部の「ナイルの一滴」、ちょっとアルバムとは曲順を変えて、ヴァイオリン嶋崎史香さんに加え、サックスに7th floorでみかとやすのサポートをしていた庸蔵さんを迎えてのライブでした。

あらためてこうやってアルバムをまとめて聴くと、この1stアルバムの神っぷりがよくわかるな。そして、ピアノや声も、デビュー当時の頃よりずっと魅力が増していると思う。「ニーナ」の美しいピアニシモから、「ゼンマイ仕掛け」のシャウトまで、なんか感激しっぱなしのライブでした。

まあ、「今までライブでもろくにちゃんと出来たことがないんだけど、今回は初めて完璧にやります」と言って始めた「レモンスライスほおばって」、すごく完璧に出来ていたのに最後の最後でトチって思わず舞台でがっくし、は愛嬌(笑)。

ラストの「てろてろ」そして「ナイルの一滴」に本当にうっとりと聴き惚れたライブでした。

第二部はこの日発売のニューアルバムの「いちばんちいさな海」全曲。

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こちらはアルバムの曲順通りでした。サポートはヴァイオリン嶋崎史香。でも前半はピアノ一本で、後半にヴァイオリンサポートを加えた感じでした。

今回のアルバムは、一部以前にライブでちらほら聴いたことある曲もありますが、改めてまとめて聴いてみると、なんとも素敵な曲を集めたなぁ、と。これは私にとって、「星ヲ抱ク者」以来の超お気に入り矢野絢子アルバムになる予感。

特に後半の「思い出の翼」とか「愚かさゆえに」とか…、素晴らしいよこれは。「まっすぐブルース」のおふざけっぷりも、これからのライブが楽しみになる感じ。

そして何と言ってもやっぱり「足跡」。今回のアルバムで私が一番好きな曲。マジで「吉野桜」に匹敵する名曲だと思う。高らかに鳴り響くブルースハープに、素直に響くグランドピアノの音、そして矢野さんのまっすぐな歌声。それら全てが絡み合い、素敵な音楽の世界を作っている。

アンコールは「最後の約束」。今回の晴れ豆ライブのタイトルは「約束の日」。昨年ガンで亡くなった晴れ豆のブッキングマネージャー、角野恵津子さんとの「約束」であり、そして「最後の約束」だったのが、この日にアルバム発売の全曲ライブをすることだったそうです。

角野さんはいつも晴れ豆に行くといる、私にとっても晴れ豆とイコールに近い存在だったし、宝美さんをはじめ、僕の大好きなミュージシャンたちを応援してくれていた人でした。

「最後の約束」はその角野さんへの思いと、病床の角野さんに会えなかった悔しさが痛いくらい込められた素敵な曲でした。もちろん、どんな素晴らしい曲を捧げても、角野さんがそれを聴けるわけではなく、でもそのことは矢野さん自身が一番良くわかっていて、それゆえになお悔しい。そういう思いが感じられた歌でした。

まっすぐな声と、まっすぐな歌詞が、音楽と歌をひたすら愛した角野さんの残した晴れ豆に響きます。そんな優しい歌声に満たされた晴れ豆ワンマン、とても素敵なライブでした。矢野さん、角野さん、ありがとう。

今回の矢野さんのライブは、あとは今週木曜日のなんとタテタカコさんとの2マンにはるばる越谷まで参加予定です。楽しみすぎる。