篠原美也子/矢野絢子『言葉の森に棲む』@渋谷7th floor
さて、篠原美也子vs矢野絢子2マンという、私が最も尊敬する2人のピアノ弾き語り女性アーティストの頂点の対決という、もう「行く」以外の何の選択肢もなさそうなライブがあったので、当然行ってきましたよ、仕事が終わったら速攻ダッシュで渋谷まで。
知らない人は知らないと思うけど、矢野絢子のライブってのは各月でやる曲のリストが決まっているのです。まあ、ワンマンとかは別だけど、高知の歌小屋でも、また最近は地方のイベントライブでもだいた
で、今は10月なわけですよ、まだ2日だけど。10月と言ったら矢野絢子の曲的には一番脂ののっている旬なわけですよ(私見)。一番野蛮で、パッションが詰まった月。私は10月、そして9月のパワフルな矢野絢子が一番大好きなわけで。
いや、当人と話したりするぶんには普通に話せるけどさ、でも喧嘩するなら絶対に避けたい、可能なら目の前から速攻で逃げ出したい、そんな感じの月。そんな絢さんと美也子さんが2マンで対バンとな。もう私の中では最初からこの2人は「共演」じゃなくて、完全に「VS」的扱いだったね。
そんなライブながら、久々に7th floorメシを食べたくなったのでナナカイカレーを食べながら開演を待つ。
物販で見た今月限定CDの選曲が素晴らしかった(何と言っても、「ぽう」と「ヨタの道」が収録されてる!)ので、矢野さんが楽屋から出ててきていた時にその旨ちょっと話をした。まあ、開演前だったのでちょいとだけ。
そして、前半ステージは矢野絢子! やっぱり10月の矢野絢子はすごい。ちょっと聴いたことがない1曲目から始まったんだけど、静かでいて、そして力強い。歌詞もなんとも凄い。
そして「ぽう」と「ヨタの道」の2部作の間に、中川千夏の渋谷の歌「神様のおじさん」と「人ごろし」が入ってさらに強烈。「ヨタの道」は本当に最高だった。7th floorのグランドピアノが絶叫するようなあの歌のパワーと世界。
「犬、好きなんですよ」
そして路地裏の曲が今日は多い、と続けた「3つのドア」や、最近はこんな曲も作ってます、の「愛なんか」も凄まじい。
既に亡くなられたという岡林寛樹さん(歌小屋の方ですか?)の説教ソングということで、「女ども」。顔を右向けて客席の方に向いたまま、世の女どもに対してすさまじくストレートな説教をするというすごいパフォーマンス。今日は女性客も多かったからまたさらに強烈でしたね。
その後のフォロー(?)のMCもまた面白かったですけど。
最後は「クローバー」。最高にパワフルなピアノで締めくくってくれました。
- 曲名不明
- ぽう
- 神様のおじさん(中川千夏)
- 人ごろし
- ヨタの道
- 3つのドア
- 愛なんか
- 女ども(岡林寛樹)
- クローバー
さて、休憩を挟んで次は篠原美也子ステージ。強烈な前半ステージにどう対抗するのか、と思って固唾を飲んで見守る中、かなり久しぶりな感じにパツンパツンに髪を短くした美也子さん登場。
なんか、こんな緊張した感じの美也子さんを見るのはあまり記憶にない、という感じだったけれども、一曲目は「永遠を見ていた」。私の大好きな曲の一つ。すごいね。
ピアノって鍵盤を押せば簡単に音が出るにもかかわらず、本当に弾く人によってぜんぜん表情の変わる楽器だけれども、美也子さん的なまた全然別の力強い音になっていて、ムチャクチャカッコいい。
ここで、MCでも「矢野絢子vs篠原美也子」って言ってましたね。私の考えてるのと同じことを考えてくれていてちょいと美也子さんと同年代としてはとても嬉しい。
「一瞬でいい」の後で、運動会のMC。今日は小学校の運動会だったそうで…それは大変だ! 今回はイベントだからMCも抑えめだったけれども、なんかいろいろ考えさせられる話でしたね。
しかも曲名の分からない新曲が二曲連続。どちらもよかったんだけど、特に二曲目の新曲、歌詞がズシンと来たなぁ。次のワンマンでも是非楽しみにしています。
ここのMCで、最近の伊達公子の話をしていたけれども…まさにそんな感じだったよね。10月の矢野絢子なんて若き怪物に全力を出して戦っている感じの美也子さんは、あの伊達公子のように最高にカッコよかった。そしてまさにその感じにピタリと当てはまった「Fly」。素晴らしすぎる。
最後に、「イノセンス」という新曲。歌も良かったけれどもこの曲でのピアノは素晴らしかった。私にとっては最近の美也子さんのライブの中で一番印象に力強く残ったライブだったな。
当然のアンコール。美也子さんは「予想外だなー」とか言いながら、客席にリクエストを投げていたけれども、結果は「満月」。おお、いいね。泥臭くもカッコよかったイベントのラストを飾ってくれました。
- 永遠を見ていた
- 一瞬でいい
- 感情
- 曲名不明
- 曲名不明
- サヨナラ
- Fly
- イノセンス(新曲)
- [En.] 満月
終わったあとで恒例の7th floorうだうだタイムで私はしっかり飲んでしまった。この間のご参杯ライブなら既に落書きされている5杯くらい飲んでしまったっぽい。
美也子さんのファンの集いも大盛況、私もご相伴に預かり、なぜか新潟直送のコシヒカリの白米をいただいてしまいました。とりあえず秋刀魚など秋の味覚でがっつりと食べさせていただきたいと思います。
あと、この日は矢野絢子ファンが比較的少なかったので、矢野さんともたくさん話ができてよかったな。
そんな素敵なライブの夜でした。明日は美也子さんのインストアもあるのですが、矢野さんのバンドレコ発ワンマンライブとワンマンリクエストライブという二連発が重なってしまっていたので、チケットのあった矢野さんのライブに月見ル君思フに…。
そちらはまた別途…。