宝美『Shiny Shiny Song Special〜宝美ワンマンライブ〜』@代官山・晴れたら空に豆まいて
はてさて、宝美さんのほぼ1年ぶりのワンマンライブに行ってきましたよ。会場はホームグラウンドとも言えそうな代官山・晴れ豆。
ちょいと腹が減ったので、いつも階段に並ぶときに気になっていた、晴れ豆の上にあるcafe58っていうカフェで腹ごしらえしていきました(先日、矢野絢子さんが、晴れ豆ライブ前にいつもここに行っているらしいとMCで聞いて、さらに興味が増したこともあり…)。
タイカレー風のマイルドなココナッツミルクカレーが食べられます。なかなかいいところかも。オクラとキノコのカレーを食べました。
晴れ豆の入口には花とぼーちゃんからのメッセージが。
晴れ豆に入ると、矢野絢子ワンマンくらいでしか体験したことのない位の、ぎゅうぎゅう詰めの晴れ豆。今回は一桁の整理番号だったのですが、なんとか最前列を確保。一旦最前列に入るとなかなか外に出られない位のみっしり感。客層は老若男女、なかなか幅があるなぁ。
開演前に宝美さんが客席をなんか楽しそうにうろついていました。珍しい。お座敷席全部+αは関係者席になっていたのですが、結構色んな人が来ていたんだろうなぁ。
そういえば、この日は「宝美」という名前のスペシャルカクテルが出てました。グアバジュース+スピリッツ+オレンジという感じだったかな?
美味しかったけど私にとってはジュースだよー(笑)。ということで、さらに久米仙の水割りを飲みつつライブ開始。
バンドはピアノ・宗本康兵、ギター・新井'ラーメン'健、ベース・竹下欣伸、パーカッション・中北裕子。そして主役の宝美さん登場! あら、あららら。今日もまたナチュラルな感じで、なんとも可愛いらしいじゃありませんか(笑)。
1曲目は初めて聞く曲。「青い空」という曲らしい。軽やかに転がるようなポップなメロディ。そして「透明な空」。今日の宝美さん、今までに見たことがないくらい楽しそう! しかもテンション高くて、MCで喋る喋る。
さて、ここで何と、アコギを抱えて初のギター弾き語りに挑戦! ということで、曲はしかも「夢幻の人」。まあ、この曲の場合はバンドの音量がでかいのであんまりアコギが目立たないのですが、それでも素晴らしい「夢幻の人」でした。
そしてアコギはそのまま「キレイになりたい」。これは前の曲よりもかなりギターが前に出てくるのでよくわかるのですが、頑張って弾いてましたねー。しかも何より、とても楽しそうだったのがやっぱり良かった。
今までのぼーちゃんのライブって、妙に元気でテンションが高いときには、他に多少しわ寄せが来ているかな、という感じが常にあった様な気が…。だから多少グダグダ気味の方が、ライブとしては良かったりも。
しかし今日は全くそんなことを感じさせない、しかも今までの楽しそうなときよりもさらに楽しそうな、とてもナチュラルな感じのライブになってます。いいね!
そして、今度はアコギに代えて小さな鉄琴を前に「なんにもない」。可愛い音色が響きます。今日のぼーちゃんすごいなぁ。さらにここで一転して「聞かせる」曲の「約束」と「千年恋歌」 。いやー、これも良かった!
前に「約束」は曲だけじゃなくて自分で作詞もした、と言うことだったけれども、この曲に限らず最近の曲は詞にもぼーちゃんらしい感じが良く出ているような気がします。
はてさて、ここで高い椅子を持ち出してきて、よっこらしょっと、と座ってピアノとギターに「徹子の部屋」の音楽をリクエスト。
で、「ぼーの部屋」ということで、バンドメンバーとトーク。なんと。いや、その服装で目の前で高い椅子に座られると、目のやり場に困りまする(笑)。どきどき。いやー、しかしまたこのトークのコーナーが面白かった。ぼーちゃんらしさをきちんと押さえつつ、でも普通に面白い(←失礼?)MCになっていてびっくり。
そして「飛行機雲」 と「風景」 と、「ただの石」からさらに2曲。「風景」では拍手だけじゃなくて、久々にみんなで歌ってみよう、という感じ。そして新曲「君の宇宙」。明るいポップなメロディに、軽やかにどこまでも伸びる歌声。
今日のぼーちゃんは、本当に一皮も二皮も剥けた感じ。どうしちゃったんだろう、と思うくらい(笑)。
ぼーちゃん、「アンヴィル」って映画を観て、とても感動したのだそうだ。売れないヘビメタバンド、でも「ロックスターになる」という夢を追いつつ、30年も続けている姿を追うドキュメンタリー?
「これでも、いろんな夢を持っているんですよ。公言しないけど」
そして、そこからすんなりと繋がるように、転機となった曲「心の鍵」に。うん、その夢が叶うように、私も信じております。
バンドでの本編ラスト的な曲は、これまた新曲の「ジャアネ サヨナラ グッドバイ」。今日のライブを締めるには、まさにこんな曲、という感じのとてもポップな、楽しい曲。
今日は「聴かせる」タイプの曲を抑え気味にして、明るい最近の曲を要所に配置したセットリストになっていました。普通に考えてそれって大丈夫? って感じもするのだけれども、見事にいい方向に決まって、要所要所の「聴かせる」曲も輝いていたように思います。
そんなライブを締めくくるには最高の曲でしたね、この「ジャアネ サヨナラ グッドバイ」。去年のワンマンライブのラストだった新曲「世界が終わるとしても」が、まさに去年のワンマンを締めくくるのに最高の曲だったように。
そしてバンドメンバーを最後に紹介しながら、
「歌とおしゃべり、宝美でした!」
…まさに、「歌とおしゃべり」だったなぁ。いやー、昔の、ステージで一言も余計なことを喋れなかった頃のライブを知っている者としては、隔世の感があります(感涙)。
そしてメンバーがステージを去り、一人残ったステージで、アンコールであるかのように…
「最後にもう一曲やります」
ということで、ピアノの前に座る宝美さん。おお、何と一年半ぶりくらいのピアノ弾き語り!
そして、駒沢公園でぼーっとしているときに出来て、先日北海道を旅していたときに口ずさんでいた曲だという新曲「生まれたところを遠く離れて」。
「いつだって嫌だった 誰でもない自分のこと」
から始まる、静かなメロディで、ピアノで奏でられる素敵な曲。「心の鍵」のように自分を語るかのような、でも、より曲と自分の距離が縮まっているような、そんな曲。…やばい泣けてきた。
そしてこの曲を力強く歌い終わると、ぺこりとお辞儀をして、
「じゃあ、春にクアトロで!」
と、舞台を去っていきました。おおっと、マジっすか! 今日の本当に一皮二皮剥けたような素晴らしいステージ、これからも応援していきます。
本日のセットリスト。新曲多かったなぁ。
- 青い空(新曲)
- 透明な空
- 夢幻の人
- キレイになりたい
- なんにもない
- 約束
- 千年恋歌
- 飛行機雲
- 風景
- 君の宇宙(新曲)
- 心の鍵
- ジャアネ サヨナラ グッドバイ(新曲)
- 生まれたところを遠く離れて(新曲)
この後、ちょいと晴れ豆でグダグダしていたら、いろいろと嬉しいサプライズもあり…(Kさん、あれはさすがに脱力モードから一撃で回復できたでしょうなぁ)。
晴れ豆の入口の花が増えていました。
そういえば、前回の晴れ豆ライブと2回とも来た人特典のポッドキャスト風「ぼーらじ。」CD。いやー、楽しいじゃありませんか。いつからそんなにお喋りできるようになったんですか?
しかも、デモやリハ録音の一部とはいえ「青い空」「君の宇宙」「生まれたところを遠く離れて」「ジャアネ サヨナラ グッドバイ」も収録されていて、今日のライブを振り返ることのできる素敵な構成でした。
名言、「ぼーの涙は汗やと思ってください(笑)」
あと、はじめて買ったCDがポケットビスケッツというところに猛烈なジェネレーションギャップを感じてしまうのでありました。ちなみに私が一番最初に買ったのはYMOの「ソリッドステートサヴァイヴァー」のLPレコードだったかな。違い過ぎや(笑)。
さて、クアトロって…何があるのだろう? 楽しみです。