矢野絢子+嶋﨑史香/早川義夫×遠藤里美/宝美『花様年華』@ AOYAMA 月見ル君想フ
今日は矢野絢子さんと宝美さんがなんと対バン! ということで、なんか尾てい骨骨折状態の私ですが、頑張って青山にやってきましたよ。 とりあえず腹ごしらえにゴローズダイナーでハンバーガー。
がっつりいただきましたですわ。
何と言っても、大好きな宝美さんと私のライブ神の一人(笑)、矢野絢子さんが対バンですよ。行かないとまずいでしょう、これ。
ということで、尾てい骨を固い椅子から守るため、ドーナツ型クッションを持参です(笑)。結構前のど真ん中あたりで聴いてました。
さて、宝美さん。今日は結構普段着っぽいかわいい感じ。珍しく今日は靴を履いていますね。「なんにもない」、そして珍しく2曲目に「夢幻の人」。「なんにもない」で吹き鳴らすカズー、吹き方がとても宝美さんの歌声っぽいんだよね。今日待っていたときに、楽屋から聞こえてきたカズーだけでも宝美さんのカズーだってわかったよ。
で、今日はまた珍しくちゃんとMCをやっている。それでもかなり危ういが…(笑)。
そして「キレイになりたい」と「風景」 。今日はちょっと地味目の曲が多めのセットリストみたいね。「キレイになりたい」は、曲だけではなく、自分で詞も書いた曲だそうな。この曲はエステのCM曲的な勘違いもされることがあるんだけど、内面をキレイにしたい、という意図を持って作った曲なんだ、とのこと。じっくりと詞を聴くと、なるほど、と思う。
ここまでのライブ、良くできてはいるんだけど、今ひとつ物足りないように感じてしまう部分もあり。…どういう点かと考えてみると、完成度はたしかに高いんだけど、ちょっとうまくまとまりすぎな気もする。
前回のライブとかは、声が出るかどうか微妙な感じだったらしく、そのせいか色々葛藤していたことが、全体として見応えのあるライブになっていのではないかと思う。結果的に声も出ていたし…。本人的にはかなり不満っぽかったけど。
本当に、ハッとさせられる、圧倒的なライブのできる人なので、いろいろと要求してしまう。ごめんねぼーちゃん。
ここで「約束」。そう、「約束」はなんか異質な曲だなぁ、と思っていたんだけど(宝美さんの一人称っぽい感じが良く出ていると思った)、やっぱりこの曲も詞と曲の両方を書いた曲なのだそうだ。納得。
一時期、グダグダになりつつ、とにかく曲を書くということをやっていた時期に書いた曲の一つで、曲名を付けるのが面倒だったので「2月6日」というタイトルをしばらく付けていたそうです。なんか篠原美也子センセイの「422」を思い出す逸話だ(笑)。
で、今日はこの「約束」と、その後にやった「心の鍵」、本当に素晴らしかったと思う。
「心の鍵」のMCで、「2年前の転機に作ったこの曲は、今の自分に対してどのようなリアリティがあるのか」、とふと訊かれたことについて、あらためて考えてみたという。そして考えたのは、たしかに2年前のリアリティはないけれども、その代わりに今この曲に対して感じる別のリアリティがあるということ。
そういう思いが出ていた「心の鍵」だったと思う。素敵だった。
ラストは軽快に「風」。花が移り変わる歌詞の中、今年もいろいろあったなぁ、と思う、そろそろ年末にカウントダウン。来月のワンマンが楽しみです。
今日はぼーちゃんとあんまり話ができなかったのが心残りです。でもちゃんと日曜〆切のぼーラジのネタは送るよ(笑)。
ということで、本日のセットリスト。
さて、次は早川義夫×遠藤里美。全く知識がなかったんだけど、いきなり早川氏のピアノ弾き語りで、しゃがれつつもパワフルな、ど迫力の歌声が聞こえてきてびびった。そしてそこに絡みつつも、存在感抜群な遠藤さんのサックス。
いやー、これまた、素晴らしい! 今日は本当に来て良かった。
特に、ラスト近くで歌われた、一昨年無くなられたヴァイオリニストのHONZIさんに捧げた曲だという「I LOVE HONZI」、素晴らしかった。そして、かつて関わりを持ったというザ・フォーク・クルセダーズ、その、昨日亡くなってしまった加藤和彦さんがカバーしてくれて嬉しかった…ということをMCで語った「からっぽの世界」 がラスト。
圧倒的でした。すごすぎる。CDを買うのを忘れて帰ってしまったんだけど、早速「I LOVE HONZI」をAmazonで注文してしまった。
セットリスト。
さて、トリは矢野絢子+嶋﨑史香。ぬぬ、史香さん、ややお腹が大きい? と客席で会ったときに思ったのですが、その点は軽くスルーして(笑)のステージです。
1曲目は最近作った新曲の「愛なんか」でスタート。すげえ!
10月の歌は久々に聴くんだけれども、何と言ってもとても久しぶりな気がする「ぽう」と「ヨタの道」のペアを聴けたのが感激! いやー、「ぽう」はとにかく切なく、そして「ヨタの道」は本当に凄まじい迫力だった。この人の強さってのは、一体どこから出てくるのかね。
私は9月の矢野絢子が一番好きだったりするんだけど、次点は10月ね。要するに「使い捨て」のパワフルさが好きなんです。
で、そのまま「クローバー」 ! 矢野さんの凄まじいピアノさばきと、史香さんのヴァイオリンの絡み方が本当にすごい。当然ながら、歌詞はメジャーでの自粛版ではなくオリジナル版です。
そして、昨年出したアルバム「星カンムリ」から「在りし日」と「月と銀杏の日」。「月と銀杏の日」は、昨年癌で亡くなった「月の庭」のマサル大王さんに捧げられた歌です。
先ほど早川さんが歌っていたHONZIさんは、史香さんが昔「素敵なヴァイオリニストがいるよ」ということで、「いつか共演してみたいねー」とか言っていたけれども果たせぬことになってしまったのだそうですが、マサル大王さんはHONZIさんとも同じ境遇の癌仲間ということで、意気投合していたりしたのだそうです。
そんな「月と銀杏の日」、マサル大王さんが存命のうちに、聴いてもらうことのできた、幸せな曲です、という紹介で始まりました。今日は早川さんのライブの流れからさらにこの曲ということで、やはり涙腺がゆるんでしまい…。すごいよ本当に。
ラストは「わかれ」。とは言っても、「ナイルの一滴」に収録されている「わかれ」ではなくて、池マサト氏による、枯れ葉の曲。枯れ葉が擬人化された主人公で、物語が展開していくのだけれども、淋しくも美しい。多分初めて聴いたと思うんだけど、ぜひともまた聴きたい曲でした。でも聴けるのはまた来年以降になってしまうかも知れないけど…。
ということで、素晴らしいステージでした。感激。
今日は、本当に3組の素晴らしいライブが聴けて嬉しかった。で、翌日も矢野さんのワンマンが同じ会場で2ステージ。勿論両方参加です。続く。