皇室の名宝@国立博物館、素晴らしすぎ!

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はてさて、朝に国立博物館の特別展「皇室の名宝」に行ってきました。

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当日券は1300円(常設展も含む)。

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会場は平成館。

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今回のお目当ては、なんといっても伊藤若冲の「動植綵絵」全三十幅が、同時に展示されるという非常にレアなチャンスがあったからです。

「動植綵絵」は、若冲によって描かれた三十枚の動植物の絵で、本来は釈迦三尊像とともに飾られることを想定して、京都の相国寺に寄進されたものです。

ということで、動植物を描いた三十枚の絵を、中央で見守る釈迦三尊というコスモロジーを持った作品なのですが、このうち釈迦三尊像を除く動植綵絵の三十枚が、明治時代の廃仏毀釈政策で危うくなった相国寺によって、皇室へ寄贈されてしまいます(ちょっとアレなエピソードですね…)。

今は宮内庁の所有になっていて、従来は三十枚が同時展示される機会は殆どないまま、時折数枚が展示される、という状態だったようです。

で、二年前に相国寺で、百二十年ぶりにこの三十枚の絵が京都に戻り、釈迦三尊像と共に展示されるという機会があったわけで、その時は私はわざわざ京都まで観にいきましたよ。

で、ぶったまげたわけです。何この絵!

いや、その前にもプライスコレクションで若冲の絵はたくさん見ていたのですが、この三十枚のシリーズはさらに別格という感じの衝撃でした。もう、今までに日本画に持っていた印象を全く覆す、ポップで、ビビッドで、そしてカッコいい、そんな絵でした。

で、今回は釈迦三尊像(ちなみにこちらはすごくオーソドックスな絵です)はないものの、その三十枚が同時展示されるという貴重な機会、これは行くしかないでしょう、ということで…。

展示室に入ると、まずは狩野永徳の「唐獅子図屏風」なんて、教科書にも出まくっているぜ、的な絵のある部屋があるわけですが、とりあえずそちらは後から見ることにして、まずは若冲部屋の二部屋目へ。

三十枚の絵と、もう一枚見たことのない若冲の絵が一部屋に飾られていました。そしてこの一枚、初めて見たけれども素晴らしすぎる!

タイトルは「旭日鳳凰図」。動植綵絵に先だって描かれた作品。右上に漢文でちょっとした文章が小さく書かれているのだけれども、こういう内容らしい。

「花鳥草虫にはそれぞれ霊があるのだから、我々はその真をよく認識して描き始めなければならない」

描かれているのは鳳凰。存在しない架空の鳥。動植綵絵にも一枚鳳凰を描いた絵「老松白鳳図」があるのだけれども、この絵の衝撃はさらにそれを上回った。ぜひ生で、最前列で見よう。絵だってライブが一番。

明の絵を参考にして描かれたのであろう架空の鳳凰。その表情は永野護の描くドラゴンのよう(っていうか永野護ってこれ参考にした?)。色鮮やかなハートの飾りの付いた羽を振り上げ、波間に浮かぶ岩の上で朝日に向かって鳴く二羽の鳳凰の姿はなんと神々しい。

で、これを見た後、最前列で順番に30枚の絵をずっと見ていきました。流れに乗った感じで大体1時間くらい。いやー、すごいわこれ。

やっぱり鶏の作品が有名で、「紫陽花双鶏図」の何とも言えない躍動感とか、「群鶏図」の緻密さと十三羽の鳥を重ねた構図の素晴らしさとか、「南天雄鶏図」の格好良さとか赤の派手やかさとかもいいんだけど、なにげに魚介類系もいいんだよね。

「蓮池遊魚図」の淡水の質感もいいし、「貝甲図」なんて、この人にシュノーケル渡して南の海の底をたんまり見させて、絵を描かせてみたい、なんて感じになる。「諸魚図」とか「群魚図 」は、なんか魚類図鑑みたいだけど、そもそも当時魚類図鑑なんて有ったのか?いやそれでもちょっとした遊びが面白かったりするし。

あと、両生類系を描いた「池辺群虫図」のキモカワイさなんてのもいいし、「牡丹小禽図」の「これでもか! これでもか! どうだ、まいったか!」的なパワフルさもいいね。

全体を通してやっぱり印象に残るのは、虫が食った葉や、同じもののない花。そしてその中で鮮やかな色で、躍動感にあふれる動物たち。

てなことで、堪能しましたです。

で、それ以外の作品も結構面白くて、見入ってしまいました。

明治以降の作品もなかなか面白くて、特に七宝の作品に見入ってしまいました。「七宝四季花鳥図花瓶」は、周囲を一周して黒地に鮮やかに浮き出る色で描かれた四季が何とも素敵。「七宝月夜森林図額」はもはや七宝の域を超えている、想像を絶する作品。なにこの水墨画…としか思えない、技術の粋を尽くしたであろう作品。

他にも色々面白い作品があったよ!

ということで、図録も買ってきてしまいました。

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いやー、よかった!