石野田奈津代『君に届けたい“うた”』@ 横浜・赤レンガホール
石野田奈津代さんのライブで、横浜赤レンガホールに行ってきた。石野田さんのライブに行くのはちょっと間が空いてしまったけど、去年の「わたしのうた」レコ発以来かな…と思ったけど、その後イズミカワソラさんとのプラネタリウムコンサートもあったな。
会場の赤レンガホールでライブを聴くのは二度目だけれども、結構響きがいいホールで、今回も静かな音量ながらきれいに響いていて素敵だった。全体的な照明は抑えめで、最近のいしのだなつよ改め石野田奈津代さんの音楽に合った感じになっていたと思う。
石野田奈津代さんはそろそろデビュー10年。最初の2年ほどでメジャーからインディーズへ。私が初めて聴いたのは2001年の東京百歌。篠原美也子さんを聴きに行き、そこでリアルガキンチョ的なテンションでジャジャジャーン、とやってきた、ちびっこなギター弾き語りの女の子が当時のいしのだなつよだった。その後kiccaというバンドを組んだりしていろいろありつつ…落ち込んでいったらしい…(涙)。
そして2004年の「秋の夜長」に篠原姐さんに無理矢理(?)引っ張ってこられた時の、痛々しいまでのグダグダな姿(でもちゃんと新曲を作って持ってきたところが偉かった)。
私もなかなかライブには行かなかったんだけど、プラネタリウムライブが決まったらしいことを知った2006年。そして初めてワンマンに行った2007年の「わたしのうた」での生まれ変わったような素晴らしいライブ。そしてこのたび、ついにデビュー10年目にあたる来年、メジャー再デビューが決定した。
このライブ前半は、そんな石野田奈津代の音楽人生を追体験するように「1等星」 からはじまり、悩める「メロディー」 、そして星空に輝く「オリオン」 と、当時のエピソードを交えながら、たどっていくような感じだった。
こうして振り返ってみると、この人は本当に今自分が感じていること、今自分が悩んでいること、そういう切実な想いをその時々に歌にしてきていたんだなぁ、と思う。
そしてそこからは、新しいアルバム「きみのうた」からの曲が中心だった。「わたしのうた」から「きみのうた」へ。自分が楽しく歌う、から、聴いてくれる人を楽しくするように歌う、へ。
そしてこれだけいろいろ失敗し、負けをみて、それでもあらためて自分の夢に向かって進む姿は、まさにあの「いしのだなつよ」がきちんとそのまま大人になった感じの、素敵なシンガーの姿だ、と思う。
今回、いろいろなエピソードがMCで語られていたけど、「うた」を作っていく上でのいいパートナーに出会え、そこで動いてみて、そこからまた、いろいろなうたが生まれていく姿が追体験できるようで、とても素晴らしかった。
何度も言葉を選びつつ失敗していた感じの「春空-ハルソラ-」のMCだけれども、言いたいことはすごく伝わったし、その心はこの曲の中にきっちりと盛り込まれているのだろう。
そしてこれが記念すべきメジャー再デビュー曲となったことは、いろいろ苦労して売り込んだこともあるのかもしれないけど、やはりとても素敵なことだと思う。
石野田奈津代「春空-ハルソラ-」、2月11日発売。Youtubeに公式動画がアップロードされている(埋め込みが禁止されているのはなんとかしてください、ユニバーサルさん)。
そして本編ラストは「君のうた」 。前のレコ発ワンマンを聴いたときも思ったが、石野田奈津代はますます本当にいい大人のシンガーになったと思う。百歌で出会えてよかった。あの頃のいしのだなつよがあって、今の石野田奈津代がいる。
アンコールは「春空-ハルソラ-」のc/wだという二曲。いろいろとアレな状態を描いた「うまくいかないときは」、そして「60億分の1」 のマイナーチェンジ版。
メジャーにいって、遠い存在になってしまうんじゃないかと、そういう意見もあるみたいだけど、より多くのいろんな人に近くなれると思う、と。でも、ファンとしていろいろ悩ましいのは分かるが、やっぱり色んな人に音楽が届くというのはいいことなんだよ。
まったく、私なんか今まで何度微妙な思いをしたことか。今も、愛するぼーちゃんが来年メジャーデビューしそうだしな…。それに、なんかこのライブを聴いていれば、そんな残念なこともなさそうな気もするじゃないか(笑)。
終わった後、なんか帰るところに列ができているな、と思ったら、なんと帰る人一人一人に握手会をやっている。「素敵なライブだった」ということを一言でも、直接伝えられてよかった。
本日のセットリスト。
- 1等星
- メロディー
- オリオン
- 夢のつづき
- 君とボク
- 魔法
- ふたり
- 楽しい話
- 「ごめんなさい。」
- あなたへ
- ?
- クローバー
- 春空 -ハルソラ-
- 君のうた
- [En.] うまくいかないときは
- [En.] 60億分の1
山下公園の方に歩いていくと、目の前には美しい月が、そしてその右側にはきれいに「オリオン」が見えていた。
どこでも見えるような
誰でもわかるような
東京の空でも輝くオリオン
そこから私を見ててよ
いつか追いつくからさ
もう一度目指してみるよ最初の頃の気持ちで
石野田奈津代『オリオン』
美しい横浜の夜景をしばし堪能した。
その後中華街に寄り道して、大好きな「江戸清」の豚まんを食べた。やっぱり美味しい。おみやげも2個買ってしまった。
今回も、前回のレコ発ライブと同様、一人一人全員に、アルバムのジャケットに入れられる半透明な紙に手書きのメッセージが添えられていた。一日で全部書いたりすると腱鞘炎になりかねないので、少しずつ書いていったとのこと。右上は前回の「わたしのうた」のメッセージ。
そして、宝美さんライブでも話題になっていた金太郎飴(笑)。724+四つ葉のクローバーマークで、ハッカとピーチ味でハッピー味とのこと。
そして今回のライブの前代未聞のグッズが、これ。「きみのう**た**」という謎のアナウンスが事前にあったんだけど「きみのう(まい)た(まご)」だったそうで…。こんなライブのグッズ聞いたことないぜ。
箸と…。
美味しい生卵と卵かけご飯専用醤油と…。
玉子ケーキに玉子せんべい(笑)。
では、明日の朝食は卵かけご飯だな! …ということで、素敵なライブでしたよ。