矢野絢子『完全ひとり 2008』@ AOYAMA月見ル君想フ
さて、AOYAMA月見ル君想フに、産休後初の矢野絢子東京ライブを聴きに行ってきました。今回も、月見ル君想フにグランドピアノを搬入して、ピアノアーティストたちをまとめて堪能する一週間イベント「青山ピアノナイト」。
今日は二夜目。矢野絢子ワンマン。ちなみに日曜は野狐禅らとの対バン。
のんびりと2階席の右端に座る事が出来たのでまったりと。今日は二部構成で、夕方の部は史香さんが入って二人構成でやっていたみたいだけど、残念ながら仕事で行けず。第二部のみの参加となりました。
矢野さんのライブを聴くのは本当に久しぶりだなぁ。昨年9月の東京ライブ以来かな?ステージ左に高く立てたマイクスタンドからびよーんとぶら下がっている象のぬいぐるみ(?)。ステージに出てきた矢野さん、これを引っ張ってびよーんびよーんと揺らした後で、ピアノに座り、第一声を。
一曲目はなんと「ははみんぐぐ」。まさかあの曲を一曲目に持ってくるとは。毎回聴くたびに歌詞が変わっている気がするけど。実は大好きなんです、この曲。そして「ぶどうジュース」という初めて聴く曲。いいですねぇ。
「ピアノで会話します」とのMCで、「闇の現」のイントロを弾きつつ、合わせて口パクをしたりしながら、通じない感じを怒る声をピアノでガンガン弾きつつ口パクしているのがなんとも(笑)。そのまま「闇の現」 。カッコよ過ぎ。
さっきの象さんのところにやってきて再びびよーん。名前は「えりぞう」らしい。
「今日はまだ雨が降ってませんよね。ピアノも乾いていていい感じです。人間は乾いてしまうと困ったものですが、ピアノは乾いていた方がいいです」
そして弾き始めたのは…何だろうと思ったら「一人の歌」 でした。ただし、聴いたことない静かなアレンジ。矢野絢子の曲で一番好きな曲を挙げろと言われたら、多分この曲を挙げるだろう大好きな曲。
あなたがそこにいなくても
きっと僕は立ち上がるだろう
あなたがどこかで歩いてるから
僕もまた歩き出すだろう
この曲の持つ「強い優しさ」をさらに感じるアレンジでした。
さて、「月見ル君想フ」はステージのバックにでっかな月が出ているわけですが…。
「月、オン」(ぴかぁ)「月、オフ」(すー)
を繰り返してみる矢野さん(笑)。では「月の歌を歌います」ということで、池マサト氏の「おけら」。「月の光がベッドに横たわる頃には…」のフレーズがとても印象に残る歌。多分私は初めて聴く曲でした。
「私はまだこんな色っぽいラブソングは書けませんが…自分の曲をやります」ということで「笑顔」。この辺りからMCが増えてきました。
「ご報告が遅れましたが、出産してきました。いやー、世の中の母はみんなすごい、と思いました。産まれてきた子供の顔を見るだけで痛さなんて飛んでいく、とか言いますが、そんなことありません。やっぱり痛かったです」
「いい効果としては、世の中の人を見てもなんかみんな自分の子供のように見えるようになりました。どんな嫌な奴に会っても、ああ、あんな赤ちゃんからよくここまで育ったなぁ、と思ってあんまり嫌いにならなくなりました」
「自分でも音楽がどう変わっていくか興味あったりするんですが、まだ新しい曲を書いていないのでわかりません。」
「大阪の時は一家総出で行ったので、特に寂しいということはなかったのですが、今回は一人で初めての遠出です。寂しくて仕方がないのではないかと思ったのですが…全然そんな事ないですよ。…でも明日頃にホームシックになるかもしれません」
「では長い曲をやります」…ということで「ニーナ」 。久々の生「ニーナ」を12分間、たっぷりと堪能させてもらいました。何度聴いても感涙…。
「何ヶ月もライブをしないなんて歌い始めてから初めての事だったので、久しぶりにライブをやるのは緊張してました…でも人より忘れる才能があるのか、あっけなく今まで通りに歌えましたよ」
そして「明るい方へ」 。相変わらずのクラップと間の手がいいですね。
MCはもうすぐ出るアルバム「サマーヴァケイション」の話。二枚組で、一枚目は「桟橋ファイナル」。旧・歌小屋の2階クローズ時のファイナルライブのライブ盤。そしてもう一枚は「夏の友」で最近の録音とのこと。
「でもどっちもピアノ一本で撮っているのであんまり変わらないんですけどね…ライブ盤は周りが盛り上がってますが」
その中から「友達の事を歌った曲です」という「地下鉄の行く先」。高知には地下鉄がない。君の街には地下鉄がある。あらためてじっくりと歌詞に耳を澄ませて聴いてしまいました。やっと音源化されるという事で楽しみにしています。そしてまさに桟橋ファイナルの歌でもある「小屋歌」。
「私のヒステリックなやつあたりソングをやります」
ということで「夕立」。嬉しいなぁ。高知の車のフロントガラスが割れるんじゃないかというくらいすごい夕立がとても好きなんですよ、とのこと。そして「自分のとらえどころのない気持ちを歌った、とらえどころのない曲ですが、皆さんのとらえどころのない気持ちと重なったのか、好きだと言ってくれる人の多い曲です」という「黒いつばさ」。私も不思議に大好きです。そしてこの二曲ともニューアルバムに収録です。
次の東京ライブは8月2,3日に代官山「晴れたら空に豆まいて」。初日はマイクなしで生歌。しかもアルバム発売記念で祝杯付きとのこと。マイクなしは歌小屋でもほとんど例がないんじゃないかな。私は一回だけ沖縄・宜野湾のプチ☆カフェBarで矢野さんのマイクなしライブを聴いているけど、…あれは凄いよ。楽しみ(あのライブはピッピ隊長と初めて出会ったライブでもあったし…)。
しかし、「晴れたら空に豆まいて」の広さでマイクなしライブをするのね! 多分プチ☆カフェの倍くらいの面積があるけど…さすがチャレンジャーだな。まあ、80席限定ということで、前方のスペースのみと考えるならプチ☆カフェと広さは大差ないか…。大丈夫ですね。
ラストは「約束」、そして「みゅみゅみゅ」。そういえば「約束」を初めて聴いたのもプチ☆カフェでのマイクなしライブだった。
けして元には戻らない
さかさまにゆがんだ世界で
軋む体を削りながら
僕らは抱き合って語り合って
許しあって生きる
凄い曲なんだよね。この曲を聴くと、ものすごい生命力と死が入り交じったわけの分からない風景が浮かぶような、そういう曲。
アンコールでは史香さんがヴァイオリンのサポートで登場。だいぶ髪が伸びて、グローリアチャペルDVDの時の雰囲気に近くなった雰囲気。そして「カーテンコール」と「夕闇」 。素晴らしい!
ということで、久々の復活ライブ、堪能させていただきました。翌日の野狐禅との対バンも期待して、家に帰りました。アルバム早く聴きたいなぁ。
セットリスト。