篠原美也子『独唱 2008・春』@代官山・晴れたら空に豆まいて
今年の冬に始まった篠原美也子100人限定ライブ企画の第2回「独唱 2008・春」に行ってきました。会場は私にとってはかなりおなじみの「晴れたら空に豆まいて」。あの会場で篠原美也子ライブというのはなかなか面白い。
ということで、朝に60kmほどチャリで走ってからやってきた私は、例の蛇の目傘のあるお座敷席に座りました。こんな場所でのんびり泡盛を飲みながら篠原美也子ライブが聴けるなんてなんと贅沢。乾いた体に酒がうまい(笑)。
さて、今日はグランドピアノといつものエレピが両方出されていますね。どう使うのだろう…。
一曲目はグランドピアノの前に座って、いきなり尾崎豊の「Forget-me-not」。かつて音楽を始めたきっかけだったという尾崎豊。でもこのまま篠原美也子オリジナル曲だと言っても信じてしまいそうなくらい合っている。
今日はグランドピアノもちょっと使いつつも、やっぱりいつものノリでないと落ち着かない(?)感じっぽいので、基本エレピでやるそうです(笑)。でもこのピアノに関するいろんなMCも面白かったなぁ。今日は前回の「独唱」よりもさらに、MCの合間に歌っている感じ。
二曲目はこれまた尾崎で「十七歳の地図」。カバー曲自体、ほとんどプロになってからは歌ったことがない(イベントなどで出演者みんなで歌う、とか対バンの人の曲を歌う、などのことを除いて、確かに記憶にないなぁ)ということでしたが、確かに…。
17歳の時にレコード屋で「十七歳の地図」に出会って以来という、尾崎豊へのさまざまな思いは今までもいろんな場所で語ってきたと思うけれども、やっぱり42 歳になった尾崎豊が、ちょっと恥ずかしそうにしながらも当時の曲を歌うのを聴きたかった、と。
しかし改めて聴くと本当に名曲だなぁ。音楽に込めた想いというものはこうやって受け継がれていくのかね。
今回はリクエストコーナーもあり、ライブ参加者にリクエストを募ってその曲をやるという初めての試みも。「以前はBBSとかで『この曲やってください』とか書かれていると、じゃあその曲は『やらないリスト』送りにするとかやってきたんですが…たまには人の言う曲を歌ってみようかと」という企画だそうな (笑)。
みんな自分の思い出とともに実に渋い曲をリクエストしてくれたのですね(私は忙しさにかまけていて出していなかった…後悔)。採用されたのは「cloudy eyes」、「言わなきゃ」、「あの角を曲がって」 、「約束」。特に「約束」をリクエストしてくれた人、ありがとう。私も久しく忘れていた曲ですよ。インディーズ初期時代に確かに何度もやっていた曲だったけど、未だにCDにはどこにも収録されていないし、ここ何年も歌われていなかったからね。
後半は客席からギターの太田貴史さんを呼んでこれまた初のギターセッション。「ゆらゆら」、そして太田さんお気に入りらしい「アスピリン」、そして「30's blue」と3曲のセッション。
前回の「独唱」でやっていた新曲2曲「our song」と「プラネタリウム」、いい曲なんだよね。特に「プラネタリウム」では再びグランドピアノに戻って演奏でした。CDになるのが楽しみな曲です。「our song」はいろんな意味で、今までよりさらに「大人な曲」だしね。
そういえば、「風の背中」 をピアノで聴くのはかなり久しぶりのような気がする。今朝もチャリで走ってきてから来ているので聴いていて面白いのだが、長距離を走るというのは不思議なもので、何も考えずに少しずつ自分の足を動かしているだけなのに、長時間走ると地平線と言っていいような距離を進んでいる。
そんなことをぼんやりと思いながら、ラストは「空に散る」、そしていろいろな思い出のある日でもある「422」。先日のO-Eastのライブと被っているのは「空に散る」だけ。なんかいろいろな新しい試みがある面白いライブだった なぁ。
アンコールは新曲の「Treasure」。やばい。泣けてくる。これはなんともありがたい曲ですね。前回のライブの後で、「ありがたいことだねー」とうちに帰って話していたそうだけれとも、何がお礼に出来るかなぁ、といろいろ考えても、「結局歌うことしかできないんだ」という結論に達したと。そういう答えがこの曲に濃密につまっているように思えた。
またしても2時間40分、半分くらいMCしていたのでは、という気もするけれども、それでも濃いライブだったなぁ。次の「独唱」企画も楽しみ。
次回のライブは6/15(日)大阪MUSE。もうチケットは一般発売中です。行かれる方はチケット入手をお早めに。
セットリスト。