(CD, 2007-03-20)
文句なしの傑作。沖縄でピアノ、高知でボーカルを収録したというこのアルバムは、シンプルなサウンドながら問答無用で迫る迫力がある。超おすすめ。
(CD, 2005-12-21)
(CD, 2005-02-23)
(CD, 2004-07-22)
タテタカコの品川教会グローリアチャペルのライブに行く前に、品川駅の港南口にやってきました。午後6時過ぎ。
懐かしい…。
ちょうど金曜午後6時のこの時間、3年前、ヒルギさんは毎週路上ライブをやっていました。蒸し暑い東京の夏の熱気がやわらぎ、優しい夕涼みが始まる時間。路上のギターの音と歌声が、品川の空に広がっていきました。
その3ヶ月後、ヒルギさんは大病に倒れ、音信不通に。あれからもう3年か…、その間いろいろありましたね。
さて、梅雨入りしたはずだったのに、今日は見事な青空。
方向性はみんな全然違うんだけど、それでも多分かなりファン層が重なりそうな、とても大好きな3人の鍵盤弾きたちのライブが重なったこの5月末から6月半ば。
この贅沢なライブ三昧の日を締めくくる最終日が、昨日、キリスト品川教会グローリアチャペルでのタテタカコのライブでした。
グローリアチャペルでのライブは、3年前、初めて矢野絢子のライブを聴いてショックを受けた、矢野絢子「ナイルの一滴」以来2度目です。あの時に、非常に素晴らしい会場であるという印象を持っていたので、ここでタテタカコのライブを聴くことができるというだけでとても楽しみにしていました。
会場に入りました。私は前から二列目の席。舞台にはスタインウェイのグランドピアノ、そしてマイクのみ。
少し時間が押しつつも、タテタカコが舞台に登場します。前に名古屋で見たときからさらに髪を短く切ったんですね。ほぼ坊主頭になっています。潔くカッコいい。しばらく精神を集中させるかのようにピアノの前にたたずみ、SEを下げるゼスチャーをします。
この教会という会場の持つ特別な空気がそうさせるのか、東京のど真ん中でありながら、物音一つしない静寂が流れます。そうっとタテタカコが鍵盤に手を下ろし、ピアノが音を奏で出します。「えのぐ」。ピアノの音色に続いて、あの声が歌を唄い出しました。
こんなに条件のいい環境でタテタカコのライブが聴けるというのは本当に素晴らしい。「手の鳴る方へ」。目の前の横を向いた必死な形相の坊主頭の女性が、フォルテシモで唄いながら直球勝負で鍵盤を叩きつけます。圧倒されます。今日はピアノの音色も本当に素晴らしい。あえて言えば、願わくばマイクを通さず聴いてみたいというくらい。
先週、矢野絢子がライブのMCで言っていた事を思い出します。「ピアノという楽器は…誰が弾いてもちゃんと音が出るんですね。ほら、そこのヴァイオリンは弾く人が弾かないと音が出ないでしょう? でもピアノはこう、鍵盤を押すと音がちゃんと出る。でも、みんな弾く人によって違った音が出るんです」…。
この時、ピアノはまさに「タテタカコの音楽」を奏でていました。「宝石」では、本当に包み込むように優しくも悲しい。「心細いときにうたう歌」「卑怯者」で涙腺がゆるんできます。細かいセットリストなどは、まだタテタカコに関しては素人なので覚えていませんが、ニューアルバムの曲と、以前の名曲をほどよく取り混ぜた素晴らしいセットリストでした。
カバーは、「二曲やります」ということで童謡「しゃぼん玉」と中島みゆき「糸」。「しゃぼん玉」は悲しい曲ですよね。「糸」はまた中島みゆきとは違った味わいになっていて良かったなぁ。「縦の糸はあなた、横の糸は私…」。
本編ラストは「道程」。ニューアルバム「イキモノタチ」で一番好きな曲。昔からあった曲らしいですね。ピアノが静かになり、「目に映るものは消え失せても、心に響くものは残っていく」…。またしても涙腺が…。
満員の客席からのアンコールでタテさんが出てきます。アンコールでは「雨は五月に降る時を待つ」、曲名が分からない曲、そして本当のラストに「しあわせのうた」をやっていました。
「この歌をうたえるのは しあわせだと感じたとき」
本当に素晴らしいライブでした。ありがとう。この品川キリスト教会グローリアチャペルという会場にも感謝です。
ここ3週間ほどで、タテタカコ、ピッピ隊長、矢野絢子と、私の大好きな弾き語り系アーティスト達のライブを本当にたくさん聴くことができましたが、三人三様の、個性あふれるステージを見せてくれました。全然方向性は違うんだけど、三人とも自分が感じたことをストレートに音楽に乗せて直球勝負をしてくれるところが共通しているんだと思う。いつかこの三人を一緒にライブで聴いてみたいなぁ(矢野さん、タテさん双方と親交のあるピッピさんよろしく(笑))。
P.S.: すっかり坊主頭になってしまったタテさん、MCによればコインランドリーで入ってこようとした女性に引かれたり、銭湯でえもいわれぬ反応をされたりしたそうです(笑)。あと、東京のホテルの鍵を岡山まで持って行ってしまったとのこと(そういえばこれで思い出したんですが、私、ボストンのホテルのミニバーの鍵を東京まで持って帰ってしまったことあります(汗)。タテさん同様、送り返しましたが)。