2007 年 4 月 29 日 (日・昭和の日) 宜野湾

明日は朝に東京に戻るということで、今日が事実上の最終日。何と雨が降ってない! 昨日、普天満宮に行ったら、 既に洞穴の公開時間(10:00〜17:00)を過ぎてしまっていたということで、 再び普天満宮にやってきました。今度はチャリで。

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さて、昨日写真でメモしておいたこの神社の由来を記した看板を、文字起こししてみましょう (数字の表記などは調整しています)。ちなみに、普天満宮という漢字で記述しますが、 天満宮とは特に関係はないそうです。

普天満宮

御祭神

熊野権現琉球古神道神
伊弉冉尊日の神
速玉男命竜宮神(ニライカナイ神)
事解男命普天満女神(グジー神)
天照大御神
家都御子神

例大祭

旧暦9月15日

由緒

当宮は別称普天満権現ともいい、琉球八社の一つである。創建については往昔、普天間の洞穴に琉球古神道神を祀ったことにはじまり、尚金福王がら尚泰久王の頃(1450〜60年)に熊野権現を合祀したと伝えられている。現存する古い記録には「普天間権現」碑(1590年)がある。琉球神道記(1605年)、琉球国由来記(1713年)、琉球国旧記(1731年)にも当宮関係が記載されている。縁起伝承には首里桃原に女神が出現されて後に普天間の洞穴に籠られた。さらにその後、洞穴より仙人が現れて「我は熊野権現なり」と御神威弥高に示された。御神徳については中城間切安谷屋村の百姓夫婦や美里間切東恩納村の屋号「当ノ屋」に黄金(神徳)を授け苦難を救った。「当ノ屋」ではその御礼参りが三百年余現在も続いている。尚船舶の安全、大量、五穀豊穣、交通安全、会社隆昌、商売繁盛、縁結び、安産、初宮参、学業成就等々、むすびの神(諸願成就)として当宮は参拝者も多く、特に旧暦九月は普天間参拝と云って、かつては中山王はじめノロ、一般の人々がが各地より参集し礼拝の誠を捧げた。

現在の社殿は戦後、県内外からの浄財により随時復興した。参道沿にあった宜野湾並松(昭和七年国指定天然記念物)は戦災と戦後の松食虫の被害を受け焼失した。洞穴内及び東洞口付近は遺跡となっており沖縄貝塚時代前期後半以後の遺物が多数発掘されている。尚二万年前の鹿、イノシシの化石も発見されている。

なるほど。琉球の神社の成因を見せてくれるような面白い由緒です。 要するに、元は洞穴とその御嶽に象徴されていた琉球古来の信仰、 つまりここでは日の神、竜宮神(ニライカナイ神)、 そしておそらく普天満女神(グジー神)への信仰があり、 そこに入ってきた熊野権現に対する神道の信仰によって取り込まれ、 「琉球古来の信仰の神々を合祀する」という形で現在の神社となったのでしょう。

社殿では、朝10時ぴったりに行ったこともあってか、何かの儀式をやっていましたので、邪魔をしないように参拝して、儀式の終わるのを待ちました。

終わったところで社務所へ。普天間宮洞穴を見ることができるか尋ねました。記帳をした上で待合室でお待ちくださいとのこと。ちなみにどのくらいの人が訪れているのかと思い、昨日の訪問者の数を見ると、わずか4人ほどでした。

待合室で待っていると、巫女さんが案内のためにやってきてくれました。社殿の横の奥にあるきれいな建物に入り、扉や鍵をいくつか開けると、その向こうに洞穴の中の大きな空間がありました。

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巫女さんから、やってはいけないことの解説を聞き、そこで巫女さんは社殿に戻って、私は1人洞穴に残されました。

美しい鍾乳洞です。ここがいわゆる神社ではなく、本来は御嶽であることを感じさせられます。まずこの大きな空間にある祠にお祈りした上で、周囲を見て回ります。水のしたたる音や、外の風の音がする以外は完全な静寂です。ここには自分一人しかいません。聖なる場所、という空気が漂っています。

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左の方は、ごく狭い通路になりつつも、奥まで通じているようです。こちらは立ち入り禁止になっており、200mほど奥まで行ったところに奥の院があるそうです。おそらく、在日米軍基地(キャンプフォスター)の地下まで通じていると思われます。

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右の方は外部に続いており、数十メートル先に出口があります(閉鎖されています)。 ほぼ完全な静寂。ここが聖地であることを感じさせます。

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本当に素晴らしい鍾乳洞ですね。

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すごい場所でした。もう一度お祈りをして外に出ます。

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社務所で参拝を終えた旨を告げるという手順になります。どうもありがとうございました。


『久々の「海が見えるそば家」』に続く。


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