(CD, 2007-04-25)
(CD, 2006-04-26)
(CD, 2005-04-27)
(CD, 2004-03-10)
今年はデビュー記念日ぴったりの4月21日にライブだった。デビュー14年。私もこの人のライブに行き始めてから早14年が経ってしまった。「ワンマンはツアー中最低1公演は観にいく」は、何度かピンチがあったものの、14年間続いている。
会場はO-East、席は後方の一段高くなったところの最前列にしてみた。昨年11月のO-Westでは、まだ体調が復活しきっていない時のみっしりスタンディングで、まじめに少し避難しないと耐えきれなかったというのもあったのだが、最近はやっとほぼ毒が抜けてきた感じもあり、とても気持ちよく聴くことが出来た。
で、4月のライブといえばCDが出るのがインディーズに行って以来の伝統なのだが、今回もニューアルバム「桜花繚乱」が出た。私はライブで初めて聴くのが割と好きなので、先行販売は利用せずに当日にCDを買ったた。だからセットリスト中の1/3位の曲が初めて聴く曲だったな…。
今回は初めて聴く曲たちがどれも素晴らしかった。ライブ本編はすべてインディーズになってからの曲だったが、ライブのスタイルとしては最近、バンドメンバーを揃えて、メジャー時代に近いスタイルに戻ってきている。
彼女は私にとって、数少なくなりつつある同世代のシンガーである(正確には彼女の方が少し年上だ)。いろいろな意味で、自分の考え方が変わり続ける流れというものを、彼女の歌と同世代でシンクロさせながら体験してきた。
新曲「灯をともそう」…圧倒された。
「保育園の子供を見て、自分より弱いものは容赦なくいじめ、自分より強いものには巻かれていく。そこで保育士さんが『自分がそうされたらどう思う?』と訊く。こうして獣から人間になっていくんだと思う。そして『あなたの大切な人がそうされたらどう思う?』が理解できるようになって、人は大人になっていくのだ」…MCでほろりとさせられた。
あらためて最近思うのだが、篠原美也子の曲にはいい意味で「夢がない」。無責任に煽らないし、世の中無理なものは無理と歌いきるところが好きだ。でも40 代にして、「希望」をこれだけアグレッシブに歌うことが出来るのも素敵だと思う。「夢がない」ことと「希望を持つ」ことは何か別のものであるということを、改めて知らせてくれるような気がするのだ。
ライブ後半は名曲「Stand and Fight」から始まって、立って聴くのがちょうどよい、盛り上がる曲が続いていた。そして「桜花繚乱」で最大の圧巻である「永遠を見ていた」から「countless」への流れを再現して、ライブ本編は終わった。
見えない明日を未来と呼んで
見えないから見えた希望を抱いて
失うことを恐れなかった
あの頃のように 胸を張った見えない明日の不安の中で
見えないもの今も抱きしめて
咲き誇りながら散る春が
祝福のように 風に舞ったfrom 「永遠を見ていた」
アンコールは、メジャー時代の名曲「Fool in the Rain」から始まった。この曲、大好きなのだ。メジャー時代の懐かしい曲を数曲取り混ぜ、「桜花繚乱」に収録の「ナイーヴ」でアンコールが終わった。鳴りやまぬ拍手に再び登場、もう一度、これもメジャー時代の名曲「満月」を、歌詞が飛びつつも歌って、気持ちよさそうに差し入れのビールを飲んで帰っていった。
彼女が細く長くも元気でやっているのを見ると、同世代の人間としてはやっぱりとても励まされるな。40にして未来に希望を抱くリアリストに乾杯。