石野田奈津代さんのライブに行ってきました。場所はなんとオペラシティのリサイタルホール。
実は石野田奈津代さんのライブには、以前「東京百歌」に「いしのだなつよ」として参加していた頃はかなり聴いていたのですが、百歌を卒業してからは疎遠になってしまい、その後1年半位経った2004年10月4日の「篠原美也子的秋の夜長」に出演した時に聴いた(この頃は今日のMCでも語られていたけど、かなりアレな状態だったらしい…というか、聴いていて痛々しいくらいだったから)っきり、先日の表参道FABで聴くまでしばらく御無沙汰だったんですよね。
先日の表参道FABで久々に聴いたいしのだなつよは、名前も石野田奈津代と改め、素敵なシンガーになっていました。本当に最初見た頃は「なんだこのガキンチョは?」という感じだったんだけれども(笑)、そのガキンチョな雰囲気を微妙に残しつつ、いい大人になったなぁ、と思いました。
今回は場所がいい場所であることもあり、サポートの構成も何とも豪華。松ヶ下宏之(ピアノ・ギター)/雨宮麻未子(ヴァイオリン) /鈴木絵由子(ヴァイオリン)/原田亮子(ビオラ)/藤井泉(チェロ)/入倉リョウ(パーカッション)。セットリストはコミュ情報を補完するとこんな感じ。
かなり緊張した感じでまずは最初の「メロディ」を一人でギターで。うん、いいね。
今日のライブは、自分としては「再出発」と位置付けているというMC。1999年にメジャーデビュー、2年後にリストラ、その後2003年にkiccaというバンドを組むも失敗。その後いろいろあったが最近またソロで歌っているとのこと。
ヴァイオリンとピアノが入り、「いしのだなつよ」時代の曲シリーズ。そして、さらにパーカッションも入り、今日一番盛り上がる(唯一盛り上がる)ゾーン(笑)ということで、「ひまわり」。こんな豪華な構成で聴く「ひまわり」も何とも新鮮でした。
昔の曲は高校生の頃に書いた曲が多いのでやたらと勢いがよくて、でも今でもなんか励まされる感じがあるらしい。うん、わかる気がするな。
このあと再び一人に戻り「バラ色」「深海」とニューアルバムの曲。そう、なんと8年ぶりのアルバム「わたしのうた」が25日に出る(本日先行販売あり)のです。今回は以前のように周囲に流されることなく作っていけたとのこと。自分の気持ちの通り作ったので、聴いて嫌われるかもしれないけど…とのMC。…いや、そんなことないよ。
そしてここでサポート全員が入って「60億分の1」。この曲大好きなんだけど、これだけ豪華な構成で聴くと本当に素晴らしい。
ここから「ラブソングをいきます」ということで、ラブソングゾーン。多分私が知らないでいた間にいろんな経験をしたのだろうなぁ…とか勝手に思う。
故郷の神津島の話をした後、名曲「おいげぇときちゃーれ」。これだけ豪華な構成で聴くと、さらにいい曲だなぁ、と思います。そして「まだ聴いていたいんだけれども…」でも最後の曲ということで「オリオン」。
拍手に送られ、たくさんの花束をもらって本編終了。思ったより短かったけれども、本当に素晴らしいライブでした。
アンコールの拍手がみんな気合い入っているね。私も負けじと大きく拍手。
アンコール一曲目は、一人でステージに戻り、ギターのプラグを抜き、マイクを横にどけて完全にアンプラグドで「なにもない」。初めて聴いた曲なんだけど、最初のワンフレーズを聴いたときからこちらはもらい泣きモードになってしまった。
「いつだって期待に応えられない私は
誰かを悲しませて苦しくなってしまう」
思い出したのは本当にぶっ壊れた感じだった2004年末のいしのだなつよ。お節介おばちゃんモードになった篠原美也子に、主催イベントに強引に引っ張ってこられたらしい感じの彼女は、それでもしっかり新曲を作ってきて歌っていました。ああいう経験を経て石野田奈津代もいい大人の女性になってきたんだなぁ、と、篠原美也子と同世代の私は思いました。
曲後半では本人も涙を堪えきれなくなったらしく、ぼろぼろ泣きながらギターを弾き、歌っていました。
アンコールのラストは、再びサポート全員が揃って、ニューアルバム曲「たとえば今日」。昔のいしのだなつよからは想像がつかない形式のライブだったけれども、本当にいいライブでした。
今日入口で配られたカードは、ニューアルバムのジャケットに収まるサイズに、一枚一枚手書きでメッセージが書かれていました。
「わたしのうたに出会ってくれてありがとう」