(CD, 2005-03-10)
(CD, 2003-11-05)
(CD, 2005-10-12)
(CD, 2005-04-13)
(CD, 2005-01-19)
(DVD, 2004-12-08)
(CD, 2004-10-13)
(CD, 2004-09-08)
(CD, 2004-05-26)
旧歌小屋の2階跡。ここを通って新・劇場歌小屋の2階に向かいます。
劇場歌小屋の2階。新しい建物になりましたが、「UTAGOYA NO NIKAI」の緑ネオンは昔のままです。
「本日のライヴ」の看板には本日の出演者、矢野絢子とピッピ隊長。ピッピ隊長が高知の「歌小屋の2階」で矢野絢子とライブをする。それだけで私は高知までやってきました。片や高知の「歌小屋の2階」を根城に、ピアノ一本で勝負をする矢野絢子と、沖縄の「プチ☆カフェBar」を根城に、アコーディオン一本で勝負をするピッピ隊長。素晴らしい組み合わせです。
実は今年の5月、矢野絢子の沖縄ツアーで、シークレットライブの場所に選ばれたのがこの「プチ☆カフェBar」で、私は以前から興味を持っていたピッピ隊長のライブを、矢野絢子の対バンという最高の形で初めて聴いたのでありました(一応当時は、場所が伏せられていたこともあるので某所にしていますが、すでにFC会報などでは触れられているので、伏せることもないでしょう)。
このライブ、矢野さんがすごかったことは勿論、対バンのピッピ隊長も鮮烈な印象を残したライブでした(しかも二人ともマイク無し!)。全然音楽性もテーマも声も楽器も違うんだけど、二人とも「同じ匂いがするアーティスト」、としか言いようがありません(今日もMCで矢野さんが同じことを言っていましたが)。
二人とも同じように地元に音楽活動の根城を持ち、あまり世間の売れる売れないという尺度にこだわらず、好き放題に音楽をやっているという点も、共通点と言えるでしょう。「プチ☆カフェBar」でのライブを聴いた印象はまず、「空気が歌小屋と似ている…」でしたし。
もちろん、今日のMCのやりとりでもありましたが、プチ☆カフェBarは普通の部屋みたいでスポットライトもステージもないし、そういう意味では全く違うのですが、それでも空気感には似たものがあると思うのです。
あのライブで、実は矢野さんかなり隊長の音楽気に入ったんじゃないかなー、と思っていたら、やっぱりかなり気に入っていたようで、それで今回の歌小屋の2階公演につながったようです。だってさ、なかなかいないよ、矢野絢子をいろんな意味で彷彿とさせるアーティストって。
というわけで、実はこのあと、どうも隊長、矢野絢子宅に22日まで居候するらしい(笑)。隊長のツアー中の東京公演のMCで、「3週間ほどのツアーですが」、と言っていたけれども、ツアー日程を見ると2週間なのに?と不思議に思っていたのですが、何のことはない、高知に1週間いるということでした。
歌小屋の入り口のところには「ポインセチアの鉢植え」が。「札」をおみやげに購入しました。
今日の開演前のBGMはなぜか荒井由美。「ひこうき雲」などがかかっていました。
相変わらず「チン」で始まる歌小屋のステージ。第1ステージはピッピ隊長です。小さなアコーディオン一本で勝負です。セットリストはこんな感じ。
なんとも繊細な隊長、実は今までのツアーではかなり飲んで緊張を紛らわせてからステージに出ていたそうですが(そうは見えなかったが、うちなーんちゅは酒が強い人、多いからなぁ)、今回は全くのしらふなのでかなり緊張しているそうです。
ということで、一曲目はタテタカコの「心細いときにうたう歌」。オリジナルのタテタカコさんとはまた別の味わいがあります。隊長、この歌を歌うときは本当に心細そうだし。
その後も、ピッピ隊音楽部時代の曲を取り混ぜつつ進んでいきます。「ピッピ隊音楽部というバンドをやっていましたけれども」と過去形で自己紹介になってしまったのですね。歌小屋常連の質問攻撃が続くMCでしたが、矢野さんと違うんだから、もう少し手加減してあげなさい(笑)、と思いました。
新曲「にんじん」、面白い歌詞なんだよね。なんかいろんな解釈が出来そう。ママがにんじんはを食べると女の人はきれいになるから食べなさい、としつこく言うと、わかった、にんじんはママが食べて、ママがきれいになって!というストーリー。ううむ。
その次の曲、あまりのMC時のツッコミに「もう…、続けます(笑) !」で始めたんだけども、またこれがこの状況に合った感じの選曲で面白かった。曲名はわからないけど、「おいらの名前はどうでもいいさ!」と高らかに歌う曲(笑)。やるな隊長…素晴らしい。
その後も、ソロになってからの曲「悪口」や新曲「つまんない話」、そしてピッピ隊音楽部時代の「歌えない…」などをやりました。アコーディオンってやっぱり独特の響きがいいよね。新宿でもやっていたアコーディオン演奏講座(?)もやってくれました。
でも、仙台や盛岡など寒いところに移動したりしていたので、一部氷結したりくたびれたりで、蛇腹に穴が空いたり、鍵盤が一つおかしくなってテープで止めていたり、CだかCmのキーを押すとなぜかC7の和音が出たり(だったかな?)で、おかしかったらゴメン、状態だそうです。アコーディオンも、長旅お疲れ様です。
自分の周りの友達のことを歌った「頭のおかしい友達」、もう音楽をやめてしまった友達のことを歌った「宇宙」と、いい曲が続きます。特に「宇宙」、何度聴いても素晴らしい曲です。
そして、仙台で共演もした友部正人さんの「ロックンロール」。一部歌詞を変えて歌っていますが、その理由解説(理由がまた実に真剣だ…)もして歌います。私はオリジナルは聴いたことがないのですが、素晴らしい曲ですね。
そして、「プチ☆カフェBar」でのことを歌ったというソロ時代の曲、「暗い部屋のワルツ」。
最後の曲はちょっと恥ずかしそうに「矢野絢子さんの曲を何か一曲やりたいということで、『一人の歌』を歌います」ということで、初めて聴く、歌小屋で矢野絢子以外の「一人の歌」。また隊長が歌うと別の意味で隊長の色のついた「一人の歌」になりますね。いいライブでした。
さて、歌小屋は新しい場所に移って、さすがに周囲が完全な住宅地になったためか、以前のあのエンドレスっぽい二部構成はなくなったようです。ということで、次は第2ステージの矢野絢子。
今回はまたVärttinäの曲をバックに矢野さん入場です。前回の月見ル君思フではVärttinäを使っていなかったので、もうやらないのかなぁ、と思ったのですが、やっぱりちゃんと使っていてくれましたね。たぶんアルバムSelenikoの1曲目、Seelinnikoiだったと思いますが、違うかな?
今日は高知新聞系の取材が入っているようです。セットリストはこんな感じ。
なんと、1曲目2曲目が「てろてろ」 →「夕闇」 と、とてもメジャー路線(笑)。歌小屋でこんな王道の選曲聴いたことないよ。そして久しぶりにライブで聴く「ブーツ」。もしかしたら最初に矢野絢子ライブを聴いた品川のグローリアチャペル(DVDになっている公演)以来かも知れません。いい曲だ。
隊長とカバー曲についていろいろ話したそうだけれども、カバーすることでまるでその人の持ち歌のように曲が変化していくのが面白いと言うこと。池マサト氏の「坊や」のように、自分の心境として歌える歌が、まるで自分の曲のようになってくるとのこと。
ということで歌小屋の橋本伸次氏の「今を抱きしめて」。おお、いい曲ではありませんか。そしてその「坊や」 。ピッピ隊長の「一人の歌」には、やっぱり滅多に自分の曲を他の人がカバーをしてくれることがないこともあり、自分以外の人が歌ってくれるのはとても新鮮で嬉しいそうです。
先日の沖縄での隊長とのなれそめの話などもしていました。「要するに同じ匂いがしたということ?」「そうそう」なんて感じでツッコミにも答えていました。「…でも隊長の方がずっと繊細な素材ですけど(笑)」
そして「小石」と、オリジナル「一人の歌」 。「一人の歌」は私も本当に大好きな曲です。この曲には、一見厳しくもある、本当の優しさが溢れているように思います。
そして、これまたたぶん品川以来ほぼ2年ぶりにライブで聴いた、インストルメンタル曲「ナイルの一滴」 。素晴らしい曲だよなー。作曲者隠して、「教授の曲だ」と言っても信じる人がいそうだ(笑)。
「ライオンフラワー」、歌小屋で聴くのは初めてかも。すごい歌詞だよね…。そして新しめの曲「故郷」に続き、来週の誕生日に向け、バースデイ&クリスマスソングの「ふたつのプレゼント」 ! おめでとう!「母さんは母さんでなく、一人の生きる女として、初めて弱さと強さを見せ、一番の友達になった」のフレーズで「みさえー!」コールがあったのはちょっと笑った(ママ、後ろの方に座られていました)。
矢野さん、高知新聞のカメラに向かってピースしたりカメラ目線したりして、それでちょっとミスった瞬間の表情がまたなんともよかったなぁ(笑)。
「12月25日、私は27になるよ♪」
ということで、いいライブでした。今回の合縁奇縁は特に私は当たりは無し(前回は1部2部両方当たってしまい、さらにそれで矢野画伯直筆巨大クレヨン画をゲットしてしまったからなぁ…運を使い果たしたのかも知れん)。
ところで、最後におまけ企画。隊長曰く「矢野さんが、二人でセッションしない?と言ってきてくれたのですが、私は普段セッションとかはしないので…と言ったんだけれども…その『ネコのような』押しに負けました」ということで、隊長と矢野さんの二人アコーディオン(!)セッション。
でも隊長のがソロ用としては最小の部類に入る(らしい…隊長談)小さなかわいいアコーディオンに対して、矢野さんのが標準サイズっぽく、全然大きさが違う!
ということで、このセッションでの曲は…。
でした。二人がハモったりするところ、なかなか素晴らしかった。たぶん、沖縄で隊長がシメにやっていた「黒猫のタンゴ」のイメージが矢野さんにも鮮烈に残っていたのだと思われます。
なんかいろんな意味で、隊長と矢野さん、これからもいろいろ一緒の活動をしてくれそうな予感もあり、双方のファンとしては、とても嬉しいですね。これからが楽しみです。今度またプチ☆カフェBarで、二人でライブやってくれないかなぁ。