2006 年 8 月 10 日 (木) 九段下

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Cocco『ザンサイアン(初回限定盤)(DVD付)』

(CD, 2006-06-21)


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Cocco『陽の照りながら雨の降る(初回限定)』

(CD, 2006-05-24)


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Cocco『音速パンチ (初回限定盤)(DVD付)』

(CD, 2006-02-22)


8月10日、Coccoライブツアー2006「ザンサイアン」東京公演(日本武道館)に行ってきました。

前回Coccoのライブを聴いたのは2000年10月6日。これが結果的に彼女の活動休止前最後のライブになってしまいました。あれから約6年。そういえば、私が沖縄に足しげくかようようになったのもCoccoの影響でした。

ついに6年ぶりにあっちゃんが帰ってくる! ということで、頑張ってチケットを取りました。6年ぶりの武道館であっちゃんと再会できてよかったと思います。

職場から直行で武道館についたのは開場10分前。物販の列は門と橋を過ぎて、地下鉄の入り口まで続いていました。何という列!

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ということで、物販はあっさり断念してガチャガチャ(なぜかガチャガチャが毎会場に用意されていて、いろいろなグッズがあたるようになっていた)の方の列に並んだのですが、30分ほど並んだものの間に合いそうにないのであきらめて場内に入りました。

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さて、席は取れたものの2階席。でも武道館の2階席は会場すべてを見渡す感じがあって、それはそれでいいのです。6年前と同じように、音楽が流れる中照明が一気に落ちて、ライブが始まります。一曲目は「音速パンチ」。ああ、おかえり!

すぐに、活動復帰後の曲と、「ブーゲンビリア」からの選曲が多いことに気がつきました。

私は、活動休止前、鋭い傷がまだ血を流しているような初期の曲から、次第にそれが優しく覆われていくように癒されていった後期の曲へ変化していく、その姿が好きでした。 それだけに突然の活動休止は、残念だったものの、やはり、と思わないでもありませんでした。

それから6年、今回、彼女の原点ともいえる「ブーゲンビリア」からの曲が、新しい曲たちに囲まれて自然に収まっていたのは、ちょうどガジュマルの樹が、新しい根を上の枝から生やし、そしてあたかも溶けるように幹の古い傷を包んでいくことで、神々しい姿を作っていくようでもありました。

面白かったのは「アコースティックコーナー」またの名を「あっちゃん野放しコーナー」。まずはメンバーを集めて「そこに座りなさい」として、ギターの弾き語りを聴かせるスタイル。 アコギをかかえて、「あっちゃんのファンなら、あっちゃんギター下手なのわかってるだろ? 多くを期待するな(笑)」→演奏→客席「あっちゃんギター上手い!」→「そうかー? おまえ馬鹿だな〜(笑)」は最高でした。

そしてその後、適当にメンバーに独特の指示(?)をしながら、その場で音を作り上げていく姿は、もしかするといつもの制作風景もこんな風なのかも、と思いました。 以前、今回もベースとして参加していたプロデューサーの根岸氏が、「彼女は本当にかわいいです」とパパ視線で語っていたのがとてもわかるように思いました。でも、そうやって即興に近い形で作られた曲は、本当にいい。

特に、このコーナーの最後でやった、「神戸でやった曲をバンドにアレンジした」曲は、素晴らしい曲でした。もう一度是非聴きたい。

「途切れた歌の続き つないだその手と手」

…確かそう歌っていましたね。

終盤でのMC。一字一句の記憶はないけれども、たぶんこんなことを言っていた。「今回、歌っていて本当に楽しい。前は楽しいことがあるはずがない、怖い、と思っていたけれども、今は怖くない。歌っていて幸せです」。客席からの「おかえり」の連呼に、「おかえりは一回だけでいい!」。本当に帰ってきたんだなぁ、と思いました。

私がCoccoと出会った曲、「カウントダウン」を包みこむように次は「インディゴブルー」。ライブ終盤になり、盛り上がっていきます。

そして「陽の照りながら雨の降る」。この曲は、私にとっての沖縄の風景、空気そのものです。降り注ぐ太陽、陽炎、道ばたの森からさえ感じられる命の濃さ、そういう景色や空気まで浮かぶ曲です。

そして活動休止前の最後の曲である「焼け野が原」から「Happy Ending」につながり、そして会場全体のライトが明るくなって、新曲で盛り上がってラストでした。

今回、Coccoのライブで初めて、最後の曲が終わるまで彼女は舞台に残っていました。今までは最後の曲が終わる前に走って舞台を去ってしまうのがスタイルだったのに…。

以前、活動休止前最後の武道館で、確かこういうことをMCで語っていたと思います。

「いつでも終わったらマイクを置いて走っていけるように、思い出を作らないようにしてきた。思い出というのは、今まで重いことばかりだったから。でも今回、ずっと回ってきて、いろいろな思い出ができてしまった」

やっと、マイクを置いて走って出て行く必要がなくなったのでしょう。思い出を思い出として積んで行くことができるようになった彼女の音楽は、今やっと彼女が大好きであろうガジュマルの樹のような姿になったのだと思います。

やっぱりアンコールはないのですが、せっかく長くステージに残っていたCoccoに、みんなが今まで彼女に聞かせられなかった拍手をたっぷり送っていました。よかった。

素晴らしいライブでした。そしてやっぱり嬉しかった。ありがとう、おかえりなさい。


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