2006 年 2 月 3 日 (金) 自宅

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ラブ オーシュリ, 上原 正稔『青い目が見た「大琉球」』

(大型本, 2000-06)

琉球王朝末期、琉球の島々に出会った西洋人たちの残した、 貴重な図版を豊富に集め、美しく印刷した本です。 圧巻です。かなりお勧め。


向ヶ丘遊園って、引っ越してまだ 1 年経ってないけど、 それにしてもなんというか、私にとって未開拓です。 先日、「黒船屋」という、 画材や裏打ち、額装などのお店を発見しました。 ということで早速、ちょっと古い絵の額装を頼んでみました。 職人肌かつフレンドリーなおじさんが対応してくれてなんかいい感じ。

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ということで、額装してもらったのはこの 2 枚の絵です。

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これ、「ペリー提督日本遠征記」(1856)の W.ハイネによるリトグラフと木版画です。近年に復刻本も出ているものですが、多分本物だと思う(お宝鑑定団並みだけど…)。 ちょうど今から 150 年前の当時、5,000 部出たもののようです。

ペリーが開国要求に来たときに、那覇に基地を置いて日本にやってきました(ペリーは太平洋経由ではなく、補給路の整った大西洋→インド洋ルートを経由して日本に来ました)。その際、美しい日本のリトグラフや木版画を米議会への報告書として残していますが、その際に19世紀の琉球の絵もたくさん残されています。

これらはそのうち2枚、当時の琉球の町並みを描いたリトグラフ "STREET OF NAPHA CITY LEW CHEW" と、那覇の塩田を描いた木版画、"SALT FLATS, NAPHA" です。 前者は、ラブ オーシュリ『青い目が見た「大琉球」』にも出ていたので前から知っている絵ですね。

この町並み、今でいうとどのあたりなのでしょうね? 当時の那覇という概念は今の那覇市とは大きく異なり、 那覇の中心部のみの概念と思われるので、 おそらく松山や泉崎の近辺だと思うのですが、 実際の場所は全くわかりません。 しかし、当時の街の様子が生き生きと描かれていて、 素敵な絵です。

STREET OF NAPHA CITY LEW CHEW

もう一枚、こちらは塩田を描いたものですが、 後ろに見える橋はおそらく泊高橋でしょうね。 この場所は今でいうと泊大橋の少し内側の、 外人墓地の近くではないでしょうか? 奥に見える小高い山が首里でしょうか? 長い時間の間に、見開きのページの英文が鏡文字で移ってしまっていますが、 それもまた時の流れを感じさせてくれていいものです。

SALT FLATS, NAPHA

ということで、150 年前という時間に思いを馳せながら、 絵を眺めるというのもなんかいいものです。 ところでもう一枚面白い絵があるのですが、それはまた別途後日…。


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