2003 年 3 月 19 日 (水) ロサンゼルス

タイムゾーン: -8H 日本との時差: -17H

ディナーから部屋に帰ってきて CNN をつけると、もうすでに開戦していました。 CNN は "WAR WITH IRAQ HAS BEGUN" とテロップが出ています。

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はあ…、やはり期限が切れた途端にすぐにやったか…。

この時ふと思い出したのは、 なぜか昔の B 級深夜ドラマの『NIGHT HEAD』の 1 エピソードなんだよね…。

最終回近く、 主人公の兄弟、直人と直哉はヒーリングで人々の病気を治したりしている老人、 花輪正太郎に会う。 ひっそりと小規模なコミュニティでその力を使い、尊敬を集めていたのだが、 週刊誌の記者が全国にそのうわさを広めることで、 さまざまな人々が押し掛け、次第に周囲に険悪な雰囲気が漂う。 そして周囲に起こっていた 以前花輪正太郎に助けられて以来、花輪正太郎を尊敬し、 身の回りを支えている田野倉という男と議論になる。

実はこれを書いている時点ではもう自宅に帰っているので、 以前買った DVD BOX を引っ張り出してその部分を起こしてみよう。 Vol.4に入っている第 17 話「UTOPIA -理想郷-」だ。

直哉『ジャーナリズムが今以上にそれを大きく取り上げる。 花輪さんはどんどん有名になって、たくさんの人々が助けを求めてやってくる。 そしていろんな宗教団体が、花輪さんを仲間にしようとする。 そこで小さな対立がいっぱい起きるんだ。』
田野倉『なぜ対立するんです?』
直人『みんながみんな、神に対しては違った考え方を持っているからだ』
田野倉『それも、先生の力をもってすれば、どうにでもなるでしょう!』
直哉『花輪さんは、人々を助けるためにヒーリング以外の力も使うことになる。 サイコキネシスや、透視能力なども。 それによって病気やけがを直す以外の依頼も増えてくる。 行方不明の肉親を探して欲しい。大地震がいつ来るか教えて欲しい。 政治に介入して日本の政治を良くして欲しいという依頼まで来る』
田野倉『望むところです! それは、日本をきれいにするチャンスです! そうだ、先生の力で、戦争をやめさせることだってできる! さっきみたいな力を使えば、兵士は誰も戦場に行かなくて済みますよ!』
花輪『……戦争をやめさせることはできない』
田野倉『どうしてですか?』
花輪『戦争には、どちらも正しいといえる真実がある。それをやめさせることはできない』
田野倉『そんな馬鹿な』
直人『どの時点で戦争を中断させても、どちらかが必ず不満を持つ。 つまり花輪さんがどちらかに荷担している状態になる。 ……戦争をやめさせたものにするということは、 花輪さんがどちらかを押さえ付けているという状況になってしまう』
田野倉『それでも、人が死ななくて済むなら、いいんじゃないですか?』
直人『そうなれば花輪さんは、神ではなく独裁者だ。 政治に介入しても同じことになるだろう』
田野倉『正義があれば、独裁でも構わない。 ……いや、先生だったら、先生に限っては、独裁者でも構わないと思います』
直人『……花輪さんにだって寿命はある』
田野倉『えっ?』
直人『花輪さんがいなくなったあと、世界は大変なことになってしまう』
田野倉『しかし、しかし、何か方法があるはずだ。 先生の、この素晴らしい力を使って、世界を良くする方法が絶対にある』
花輪『……私は全能ではない。 人を無理やり押さえ付けるようなことに力を使えば、 必ず歪みができる』

……ふう、今見てみてもやっぱり面白いドラマだったな。

こういうものを思い出すと、あとはもう連想で、 『風の谷のナウシカ』原作の最終巻とか、 『Marie の奏でる音楽』(, ) などの、 素晴らしい漫画を思い出してしまうなぁ…。 まあ、こういう時に高尚な本が思いつかないのは私の教養のなさのなせる業だな (^^;。


『さて、帰りましょう』編に続く。


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