2003 年 3 月 19 日 (水) ロサンゼルス

タイムゾーン: -8H 日本との時差: -17H

太平洋時間 5 時直前です。 CNN は "THE FINAL HOUR" とテロップに出して、 さまざまな中継を続けています。

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そして…… 5 時が過ぎました。 テロップは "SECONDS FROM DEADLINE FROM HUSSEIN EXIT" に変り、 デッドラインへのカウントダウン終了を告げました。

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これで開戦は完全に時間の問題となりました。

日本語の情報は Web からしか入ってこないのですが、 若者の反戦運動なども始まっているようですね。

純粋な気持ちで反戦を叫ぶ若者たちは、 フセインのクルド人に対する化学兵器を用いた虐殺を知っているのでしょうか? おそらくほとんど知らないでしょう。 そして知ったらおそらく純粋な気持ちで、その行為についても NO と言うでしょう。 もしそうであれば、 前回の湾岸戦争の時、 戦争以外の手段でどうやってその行為を止められたと思いますか? そこまで考えて反戦を主張していますか? 放置してイラク人が何人死のうが関係ないが、 アメリカとの戦争で死ぬイラク人は可哀想ですか? どっちも可哀想に決まっています。

確かに今回のアメリカの攻撃は愚かであり、間違っていると思います。 勝つという一点においての戦術的には正しいかも知れませんが、 戦略的にどれだけ意味があるのかは不明です。 アメリカ大統領が「世界の王」であることをデモンストレートするための攻撃です。 しかし、今回のアメリカの攻撃によって、 救われるイラク人も確かにいるはずです。

いずれにせよ、暴力的な独裁政権が長く続いた場合、 これを本質的に解決するには、 自国民による権力奪取か、 国力の低下による自壊か、 戦争による徹底的な敗北あたりしか、 現在の世界には取りうる策がないと思います。 そしてこれらの選択肢のすべてが、 その国に対して大きな被害をもたらします。

まさに今、世界はそれ以外の代替手段を探しており、 その可能性を今回簡単に無視したアメリカは非難されてしかるべきだと思いますが、 実際のところその代替手段が本当に機能するかどうかは全くの未知数であったというのも、 否定できないところではないでしょうか?

個人的には、今回のイラク攻撃には反対です。 もうしばらくの時間、別の可能性を探るべきであったと思いますし、 テロ撲滅どころか、新たなテロを誘発する危険もあります。 終戦後の民主化云々も、 本当に実現できるのかどうかは怪しいものでしょう。 しかしその「別の可能性を探る」間のコストは誰がどう負担するのかを考えると、 確かにあまりの救いようのなさに気が重くなります。 今回の戦争は多くの教訓を残すでしょう。 それが今後有効に活用されることを望みます。

……と、暗いニュースを聴きながら考えていたのでありました。


『最終日のディナーはちょっと贅沢に』編に続く。


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