2000 年 3 月 30 日 (木) 自宅

と、いうわけで、椎名林檎 2nd アルバム『勝訴ストリップ』を入手。 ただいまヘビロ中。 これはすごい。ただ一言、聴きましょう。

というか、やっぱり一枚目が思わず売れてしまった人の二枚目って、 どうも左脳全開になっちゃったな〜、みたいな、 いけ好かない作品とか出て来ることがあると思うんです (もっと困ってしまうのは、 一枚目で才能使い果たしちゃったのかな、ってタイプなのですが)。 この作品に関して言えば、 さらに完成度を高めたという意味での取っつきの悪さはあるかも知れないけど、 そういう意味でのあざとさは感じられず、 全開エンドルフィンをちゃんとしていてくれるところが素敵です (なんじゃそれ)。

そういう意味でのバランスの良さは、 もしかすると、最近いろんな所で本人が言っている 「椎名林檎はアルバム 3 枚目まで」計画に則して、 無意識に、あるいは意識的にバランスを取りながら作品を作っているというところに原因があるのかもしれません。 これで 2 枚目ということは、 異常なまでに対称性にこだわったこのアルバムの、 ライナー中央にある「罪と罰」がちょうど折り返し地点ということで、 復路に入っていくことになります。

こう考えると、「特別感謝」のところに書いてある、 『おうちに帰る迄が遠足ですが何処に行こう共、続くのは勝ち戦です』 という文がとても意味深長で良いですね。

ただいまのお気に入りは、シングルになっている曲は除外すると、 『月に負け犬』『依存症』『浴室』等ですが、 やはりこれは全部通して聴くのが正しい聴き方でしょう、 曲送りボタンを全く押す気にならないアルバムって、 やっぱり珍しいですから。 シングルになった曲も、 このアルバムではちょっと前後にオマケがついただけなのに、 全然違う印象になって 55:55 (これも対称だ) の全体の構図の中に、 きれいに収まっています。

というわけで、今年の私にとってのベスト 1 のアルバムです。 多分年末まで更新されないからさっさとここで宣言しておこう。

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