今週の(名|迷)盤 - 第 1 回
ちょっと、今週から時々「今週の(名|迷)盤」として、
ほそかわのお気に入りの古い CD を紹介していこうと思います。
単に気に入っているだけじゃなくて、
ちょっと癖のある CD たちを、
古い CD コレクションから掘り返して、
紹介していきましょう。
森川美穂 『おんなになあれ』 (VAP, 1987 年)
うわぁ、この CD が出てからもう 11 年も経っているんだ。
おいらも歳をとるわけだ :-)。
すでに廃盤だけど、この CD って、
今でも中古で結構な値段がするらしいですね。
たしかに私もこれは名盤だと思うんだけど、
本人の移籍にまつわるトラブルという商業的事情で廃盤になってしまった、
可哀想なアルバム。
極めて入手困難。
タイトルにもなっている『おんなになあれ』は、
今は過去ベストアルバム『Her-best』で聴けるけど、
これが出るまでは幻の曲でした。
このアルバムには、
それ以外にもいい曲がたくさん詰まっており、
かつ森川美穂が、いわゆるアイドル路線から脱線する :-) きっかけとなった、
重要なアルバムだと思う。
おすすめ。
永井真理子 『やさしくなりたい』 (ファンハウス、1992 年)
永井真理子は私が学生の頃、
元気路線で売り出した、本当に元気な歌手だったけど、
(たぶん) 自分の虚像にいいかげん嫌気がさしたのか、
路線変更を行ったあと、徐々にマイナーな存在になっていった。
その路線変更の直前のギリギリの時期に出された、
彼女としては異色の、
バラード曲を集めたベストアルバムがこのアルバムだ。
元気路線の最後を飾ったアルバムが、
バラードのベストアルバムであったというのが、実に皮肉だとも言えるだろう。
そして、ベストアルバムでありながら、
結果的に人間的な変化を迎えた女性のギリギリの瞬間を、
スナップショットとして写し取ったアルバムなのだ。
このアルバムを聴くと、
彼女がトレードマークの元気な曲を歌うよりも、
バラードを歌うときに、もっとも魅力的な存在であったことがわかる。
そうそう、
辛島美登里がメジャーになったきっかけも、
永井真理子のバラードの作者としてだったと思う。
私は、このアルバムの中でも『Change』がお気に入り。
今でも好きな歌の一つだ。
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ほそかわ たつみ
< hosokawa@ntc.keio.ac.jp >